問題点を指摘しながら安倍首相を激励する!
協定の発効により
デメリット・不利を見極め備えなければならない!
まだ国会で批准があるのだが、そんなのカンケーねぇ!
もう決まりだ!って思想が政治を劣化させてきた!
既成事実化容認による
日本農業・地域が劣化した証拠記事だ!
TPP大筋合意 農業対策に全力挙げよ
秋田魁社説(2015/10/07 付)
http://www.sakigake.jp/p/akita/editorial.jsp?kc=20151007az
日本や米国など太平洋に面する12カ国が環太平洋連携協定(TPP)交渉で大筋合意した。12カ国の国内総生産(GDP)を合わせると、世界の4割を占める巨大な経済圏が誕生することになる。多くの関税が撤廃されるか、引き下げられ、モノやサービス、投資が自由に行き来することで経済が活発化すると期待される。
しかし、交渉開始から今回の大筋合意まで5年半を要した。このこと自体、国の利害を調整するのがいかに難しいかをよく表している。各国それぞれにメリットとデメリットがある。
日本では協定の発効に国会の承認が必要で、来年初めにも国会審議が見込まれる。そこで十分審議した上で、有利、不利を見極め、協定の発効に備えなければならない。
まず最も影響が懸念されるのが農業分野だ。日本は焦点のコメで、778%という高関税は維持したものの、米国とオーストラリアからの無関税輸入枠(計7万8400トン)を新設する。現行38・5%の牛肉関税を段階的に引き下げ、16年目に9%とする。豚肉は低価格帯で1キロ当たり482円の関税を10年目に50円に下げる。
このコメや牛・豚肉など重要5項目を「聖域」とし、関税撤廃から守るというのが日本の立場だったはずだ。撤廃は免れたが、これで聖域を守ったといえるのか。国内のコメ消費量が毎年8万トンずつ減り続けている現状からすれば、8万トン近い無関税輸入枠の新設は大幅な譲歩だ。安価な輸入品の増加により、日本農業の弱体化が一層進むのではないか。
一方、日本が強みとする自動車分野では、米国が部品にかける関税のうち、全品目の81・3%(輸出額ベース)を即時撤廃。現行2・5%の乗用車への関税は25年かけてなくす。
一見すると、日本に有利なようだが、部品は米業界が重視する特定の品目が即時撤廃の対象から外された。完成車への課税も当面続くことになる。全体として日本より米国のメリットの方が大きい内容である。
それでも安倍政権が大筋合意へと突き進んだのは、TPPを成長戦略の重要な柱と位置付け、経済成長の弾みとしたいからだ。
強大な環太平洋経済圏をつくり上げることによって、経済的にも軍事的にも台頭する中国をけん制する狙いもある。
安倍晋三首相はきのうの記者会見で、「TPP総合対策本部」を近く設置すると表明した。全閣僚がメンバーとなり、影響を受ける農業分野などの国内対策を取りまとめるという。
農業の疲弊は集落の維持を困難にし、地方そのものの衰退につながりかねない。
輸入農産物に対抗できる競争力をつける一方、高齢で零細な農家のやる気を失わせない対策が欠かせない。安倍政権の政策実行力の真価が問われる。(引用ここまで)
安倍首相の言動を直視すれば無責任の極み!
首相が力説したからには
首相のもくろみ通りに
中小企業や地方が主役に躍り出るのであれば
北陸の事業者にとってもTPPを生かさない手はない。
TPP首相会見 中小、地方にもメリットを
北國新聞 2015/10/07 01:56
http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
安倍晋三首相は環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意を受けて記者会見し、中小・小規模事業者や地方に大きなチャンスをもたらすとの見解を示した。自由貿易圏の恩恵を受けるのは大企業だけという印象を払いのける狙いもあるのだろう。しかし、首相が力説したからには、中小企業や北陸をはじめとする地方にメリットが確実に出るように強力な施策を実行してもらいたい。
首相は会見でTPPによって生まれるチャンスの主役は「キラリと光る技を持つ中小・小規模事業者」と「個性あふれる、ふるさと名物を持つ地方」と述べた。北陸には、規模は大きくなくても他社がまねできない技術や製品を持つ企業は幾つもある。地域の個性と魅力を生かした産品も多い。
首相のもくろみ通りに中小企業や地方が主役に躍り出るのであれば、北陸の事業者にとってもTPPを生かさない手はない。
首相がメリットの具体例として挙げたのは陶磁器や眼鏡フレームである。果実やコメ、和牛などの農産物にも輸出の可能性が生まれると強調した。石川県では海外で九谷焼の需要を開拓する動きが出ており、関税障壁が下がれば追い風になるだろう。石川県産高級ぶどうのルビーロマンも外国で人気が出る可能性はある。
とはいえ、中小企業には人材も資金も情報も豊富にあるわけではない。TPPで取引や投資のルールが整備されるといっても、小規模な事業者が世界に出て行くのは簡単でない。政府は中小や地方の挑戦を支える必要がある。何よりTPPの利点と課題を分かりやすく説明しなければならない。
農業従事者には不安が広がっている。首相は輸入米の増加分に相当する国産米を備蓄用に買い入れる考えを示したが、こうした米価対策は持続可能なのだろうか。農業にもチャンスは生まれるだろうが、北陸をはじめ地方の農業従事者の多くは高齢者である。貿易協定に伴う農業対策にはバラマキの批判がつきまとうが、地域社会を担う人々を支えるために必要な施策は、効果を見極めながら着実に実行する必要がある。(引用ここまで)
市場開放には懸念も強い
農業の体質を強化することだ。
産品ごとの影響を精査し、有効な手だてを打つ必要がある。
中小零細に目を向けた、きめ細かな支援策を求めたい
戦後自民党政権が
できない!しない!ことばかりだな!
日本の農業と地域が劣化した原因が全く判っていない!
TPP大筋合意 国内の打撃に目を向けよ
徳島新聞社説 10月7日付
日本や米国、オーストラリアなど12カ国による環太平洋連携協定(TPP)の交渉が、大筋合意に達した。米国などが交渉を開始して5年半、日本が参加してから2年余り。各国の利害が複雑に絡み合い、長い曲折を経ての合意である。協定が発効すれば、国内総生産(GDP)で世界の4割を占める巨大経済圏が誕生し、圏内の貿易や投資が活発化する。
これに対して政府は、備蓄米を増やすなどの対策を検討しているが、コメが余る状況は解消しない。ブランド化の推進といった需要拡大策が急がれる。
牛・豚肉の関税は徐々に引き下げ、小麦は関税に相当する「輸入差益」を削減するとした。乳製品ではバターなどの低関税枠を新設する。輸入が増えることになり、関係農家への打撃は避けられまい。
政府は「TPP総合対策本部」を近く設置する。
農業対策では、コメを部分開放した1993年の関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンドの合意後、6兆円を費やしながら、成果を得られなかった経緯がある。
農業とは対照的に、工業製品の関税撤廃では経済界の期待が大きい。地場産業の底上げになるともされる。
だが、安価な海外製品が流入することに、先行きの不透明感を訴える中小企業は少なくない。大企業だけでなく、中小零細に目を向けた、きめ細かな支援策を求めたい。
TPPへの不安が拭えないのは、これまで交渉内容が伏せられてきたためでもある。政府は、協定のメリットとデメリットを国民にしっかりと説明しなければならない。
TPPには、存在感を強める中国をけん制する思惑もある。広範な分野で統一ルールを決め、中国の動きを封じる狙いだ。
TPP大筋合意/農業の強化は待ったなしだ
福島民友/2015/10/7 10:05
http://www.minyu-net.com/shasetsu/shasetsu/FM20151007-018574.php
太平洋を囲む巨大な自由経済圏を生み出す環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意により、日本の農産物市場の門戸はかつてないほど開かれることになる。
輸入農産物との厳しい競争にさらされる国内農業の強化は待ったなしだ。足腰の強い体質に変える機会としなくてはならない。
交渉の焦点となっていたコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、サトウキビなどの甘味資源作物の重要5品目は、関税の撤廃が避けられた。
しかしコメについては無関税で輸入する特別枠を新設することが合意条件になった。乳製品や甘味資源作物でも低関税の輸入枠が設けられる。麦については関税に相当する輸入差益が、牛・豚肉については関税そのものが、それぞれ大幅に削減されることになる。
国内で輸入農産物が安く手に入るようになれば、国産農産物の価格を下げる圧力になり、生活を農業所得に頼る農家が大きな痛手を負うことになりかねない。
政府は国内農業への影響を抑えるための強化策を作るとしている。まずは、どのような影響が出るのかをしっかりと精査することが肝要だ。
本県にとって農業は、年間の産出額が2千億円を超える基幹産業の一つだ。しかも、コメや野菜などの農作物の生産をはじめ畜産など、沿岸部から山間部にわたって多彩な農業形態がある。
政府はこれまでもTPPを見据えた国内農業の改革に取り組んできた。
稲作を例に取ると、農地の集積による大規模経営化を進めるが、県内の中山間地域などでは、小さな田んぼを維持するだけで精いっぱいの農家が多い。
政府が「強い農業」の確立を目指すのであれば、地方の多様な農業経営の形を考慮した強化策が不可欠だ。地方で農業離れが進み農地が荒廃すれば、環境保全に果たしている多面的な機能も失われることを忘れてはならない。農家も努力を続けている。生産者が農産物を自ら売って稼ぐ農業の6次化や、品質やブランド力の向上などの取り組みを盛り上げることも強化に欠かせない。
そのためには、本県の農業が抱える事情を考慮しなければならない。政府を挙げて県産農産物の風評払拭(ふっしょく)を優先すべきだ。
少子高齢化から人口減少に向かい、内需が先細りする日本が経済成長を維持していくためには、貿易や投資をこれまで以上に活発にすることは避けられない。
政府にはTPPの意義を丁寧に説明し、協定発効に理解を求めることが必要になる。(引用ここまで)
問題点を指摘しながら追認し
農業者の切実な声にしっかり耳を傾けて
実効性のある対策を講じてほしい!
と言いながら
対策を講じてこなかったからこそ、
現在の事態があることを隠ぺいし免罪する!
TPP大筋合意/実効性のある農業対策を
山陰中央新報論説 : ('15/10/07 )
http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=555254033
米アトランタで開かれた環太平洋連携協定(TPP)の閣僚会合は、日米をはじめとする参加12カ国が関税の撤廃・引き下げや投資のルールで大筋合意に達した。安倍政権の成長戦略の柱であり、多くの国の貿易障壁が一斉に低くなるTPPの実現で、日本からの輸出拡大を期待する声がある。
しかし、農畜産物の生産者は価格競争が厳しくなると予想され、国民がそろって歓迎できる内容とは言い難い。今後段階的な関税引き下げが始まるが、基幹産業である日本農業の基盤強化を急ぐべきだ。
日本は焦点の農産物重要5項目で、コメに新たな輸入枠を設けるほか、牛・豚肉関税の大幅引き下げを受け入れるなど、大きな譲歩を余儀なくされた。一方の輸出面では、米国による日本製自動車への関税が当分撤廃されず維持されることで決着。同部品も米業界が重視する品目は関税の即時廃止から外れ、先送りされることになった。
輸入される牛・豚肉の価格低下などで日本の消費者にもある程度のメリットが見込めるが、この点での効果は限定的とみられる。その一方で、今回の合意で相当な果実を得たのが、日本などの市場開放に成功した米国である点は誰の目にも明らかだろう。
安倍政権が合意を急いだのは、「日米同盟強化」と「対中圧力」のため、安全保障関連法制との両輪としてTPPを位置付けているからだ。政治・外交的な利点を経済的な利点とともに重視したと言える。加盟国の連携による相乗効果が期待されるTPPだが、背景となる経済情勢を十分理解する必要がある。
最も大きいのは日本の貿易・産業構造が近年大きく変化し、生産の現地化が進んだことだ。ここ2年半ほどの円安局面でも輸出がほとんど増えていないことがそれを先取りして裏付けている。
日本政府もこの点は承知しており、関税撤廃・引き下げによる輸出効果だけでなく、TPP発効を機に対日投資が増えたり競争で生産性が向上したりする効果を、今後は強調していく方針という。対日投資の拡大は成長戦略の柱であり、期待先行で終わらせてはならい。
世界の成長市場を見込んだ自由貿易協定(FTA)で日本は現在、東アジア諸国や欧州連合(EU)、そして中韓両国とも交渉中だ。だが、これまで米国主導のTPPを最優先にしてきたことや中韓両国との関係冷却化で、思うように進んでいない。
また、TPP参加国でない中国と韓国が、日本の第1位と3位の貿易相手国だという現実がある。通商政策は国際関係の中でのバランスが大切だ。TPP合意を節目として政府は、現在交渉しているほかのFTAの実現にも全力で取り組むべきだ。
今回の合意が来年度予算編成のタイミングと重なったことで気になるのが「TPP対策」関連予算の膨張だ。約20年前の関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンド合意の時には、農業の生産性向上などをうたい事業費6兆円が組まれた。
この中には農業基盤整備に直接つながらなかった事業も含まれていた。農業者の切実な声にしっかり耳を傾けて、実効性のある対策を講じてほしい。(引用ここまで)