核兵器使用禁止条約・廃絶条約への障害は何か!
停滞の原因は何か!
核保有国と非核保有国の対立の最大の要因は何か!
「核兵器・軍事抑止力」論が最大の矛盾だ!
だが核兵器は非人道兵器だ!
地雷・生物化学兵器と同じだ!
日米核・軍事同盟問題をタブー視することはできない!
ヒバクシャの思いを無視はできない!
核兵器は人類絶滅兵器だ!
核兵器にかけるカネは生活改善にかけろ!
国連核軍縮作業部会/停滞を打ち破るために
中國新聞/2016/5/18 10:00
オバマ米大統領が唱える、核兵器なき世界を目指す潮流は残念ながら停滞の感が否めない。ジュネーブで開かれた国連の核軍縮作業部会は核兵器を法的に禁止する条約の是非を巡って、各国の意見が対立したまま2回目の会期を終えた。
核兵器禁止条約を作るべきだという声は、非保有国に高まるばかりだ。一方、保有国は会議そのものをボイコットし、日本など米国の「核の傘」の下にある国々も「段階的に減らすべきだ」として反対している。
そうした状況の中で作業部会は8月にも再度開かれ、秋の国連総会に提出する報告書をまとめることになっている。今回はその具体的な文案を巡って各国の思惑が交錯し、意見が噴出したようだ。両者の亀裂はむしろ深まり、膠着(こうちゃく)状況に陥ったかのように見える。
このままでいいのか。
禁止条約に賛同する国々の根底には、核兵器の「非人道性」を巡る意識があるはずだ。ひとたび核兵器が使われれば、市民が無差別に殺される。そして放射線被曝(ひばく)は国境を越えて広がりかねない。その危機感が、条約の推進を促している。
それなのに議論を骨抜きにしようとしているのが被爆国である日本や北大西洋条約機構(NATO)の一部加盟国である。日本の佐野利男軍縮大使は今回の部会でも禁止条約の流れについて「核保有国と非保有国を分断させかねない」と賛成派をけん制し、徐々に核軍縮を進めていく「進歩的アプローチ」という新たな提案をした。廃絶時期の目標を示さず、安全保障を重視しつつ核兵器を減らすことを、保有国に求める手法のようだ。それが「進歩的」だとは到底、思えない。
日本政府の姿勢の裏には米国の「核の傘」に安全保障を頼る日米同盟の現実があろう。
核兵器廃絶には保有国を含む広い賛同が要る、という考えも分からなくもない。
しかし核軍縮を義務付ける核不拡散条約(NPT)があるにもかかわらず、これまで廃絶の議論は一向に進まなかった。
その延長線上ではなく、大胆な手法で踏み出さない限り核兵器なき世界は実現できまい。
作業部会の停滞は、核兵器なき世界の実現が多難であるという現実を映したともいえる。
日本政府に厳しい現状を打ち破る意志が本当にあるかどうか。核兵器なき世界を求めると口にしつつ、実際の国際政治の舞台で禁止条約の流れを妨げる日本の「二面性」に、国際社会から冷ややかな目が向けられているのを忘れてはなるまい。
理想と現実の落差が浮き彫りになる中で、27日にオバマ大統領の歴史的な広島訪問を迎えることになる。
同行を決めた安倍晋三首相はオバマ氏の決断を手放しで称賛し、「核兵器のない世界に向けて大きな力になる」と述べている。ただ大統領が被爆地の土を踏むだけで核軍縮への機運が高まり、かつ廃絶への議論が前進すると考えているのなら楽観的に過ぎるのではないか。
日米が広島から世界に向けてアピールすること自体の意味はむろん小さくない。ただ廃絶を求める世界の圧倒的多数の声に背を向けたままでは説得力がどれほどあるだろう。その点をしっかり認識してもらいたい。(引用ここまで)
北朝鮮の核兵器だけが問題か!
北朝鮮批判はそのまま安倍政権批判でなければならない!
朝鮮労働党大会/国際的孤立から脱却を
中國新聞/2016/5/7 10:00
北朝鮮の国家方針を定める第7回朝鮮労働党大会が平壌で始まった。金日成(キム・イルソン)主席時代の1980年にあった前回から36年ぶりとなる。権力継承から4年余り、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の個人独裁体制を強化し、内外に誇示する狙いがあろう。
ただ約120カ国の代表団が出席した前回とは様相が一変している。国際社会での孤立を反映し、主要な外国代表団の参加は確認されていない。海外メディアはおろか国内にも情報が公開されない異常な事態であり、これで国際的な信頼を得られるはずもない。
党大会は党の最高指導機関に当たり、指導部の人事や党の路線、政策などを決める。第1回が46年に開かれ、直近の80年まで6回開催してきた。前回は後に総書記となる先代の金正日(キム・ジョンイル)氏が世襲の後継者として登場する公式の場となった。
しかし後継の金正日体制下では一度も開かれなかった。91年のソ連崩壊で最大の後ろ盾を失って経済環境は悪化し、さらに深刻な飢饉(ききん)に見舞われるなどしたのが影響したとみていい。今回は本格的な「金正恩時代」の幕開けを宣言する舞台として位置づけているのは間違いない。
権力の座に就いて4年間、金第1書記は軍や党、政府の幹部らを次々に更迭、粛清して権力基盤の強化を図ってきた。「先軍(軍優先)政治」を掲げて核実験を強行した父親に倣い、国際社会の反発を意に介さず核兵器とミサイルの開発にも突き進んできた。今回の党大会には、祖父が築き上げた党機能の正常化を印象づける意味合いも強いとみられるが、実質的には自らの手法の追認にすぎまい。
その意味でも注目されるのが金第1書記が最優先課題として掲げてきた「並進路線」を、どのような言葉で言い表すかだ。核開発と経済発展を両立させるという虫のいい方針である。
この4年、経済は比較的安定した状態と強調している。「人民生活を向上させる」と唱え、一部で市場経済を導入して工業や農業分野などで変革を進めてきたという。ただ必ずしも額面通りには受け取れまい。
一方の核開発ではことし1月に4回目の核実験に踏み切り、それ以降も完成すれば核兵器搭載も可能な弾道ミサイルを相次いで発射した。金第1書記の権威付けに利用している節もあるが、失敗も重なってむしろ技術力の不備も透ける。
そうした状況だからこそ、この党大会では内部結束を強めたいのだろう。
国際社会に背を向けた代償は大きいと気付くべきだ。国連安全保障理事会や日米韓、そして中国もかつてなく経済制裁を強化している。北朝鮮の主な輸出品である石炭や鉄鉱石の輸出が制限され、南北の経済協力事業もストップしたままだ。
かたくなに核とミサイルの開発を続ける限り、北朝鮮はさらに厳しい制裁と圧力を受ける。このままでは経済発展も人民の生活の向上もおぼつかないのは分かりきっているはずだ。
なのに党大会に合わせ、核実験をまたしても強行する懸念が強まっている。北朝鮮を核保有国として受け入れる国など存在しない。
対決と孤立から、平和と対話へ転換し、非核化を選択するしか国際社会に復帰する道は残されていない。(引用ここまで)
中國新聞は
憲法平和国際強調主義・非核三原則の空洞化・否定は許さない!
この絶対的立場に立てるか!
北朝鮮に投げかけた言葉は
そのまま安倍政権に投げかけるか!
北朝鮮の挑発/日本の役割が問われる
中國新聞/2016/3/19 10:00
国際社会への露骨な挑発にほかならない。北朝鮮が日本海に向けてミサイル2発を発射し、うち1発が約800キロ飛行して海に落下したもようだ。
日本全土を射程に入れ、実戦配備されている中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられる。
事実なら弾道ミサイル技術を使った全ての発射を禁じる国連安全保障理事会決議への明白な違反であり、強い憤りを覚える。
自衛隊が地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備の準備に入るなど、日米韓は警戒態勢を一段と強化している。当面、朝鮮半島の緊張緩和は望めそうにない状況である。
1月の核実験を踏まえた国連安保理の制裁決議や、過去最大規模の米韓合同軍事演習。
それらに対する反発の表れなのは間違いない。
ロケット弾、短距離弾道ミサイルの発射に続くエスカレートぶりは気掛かりだ。
それだけではない。今週、国営メディアは金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の発言を伝えた。核弾頭の爆発実験に加え、対外的な隠れみのに使ってきた「人工衛星」ではなく「多種の弾道ミサイル発射実験」を堂々と早い時期に行うというものだ。なりふり構わない強硬姿勢といえる。
2年ぶりのノドン発射は、わが国への威嚇という見方もできよう。
拉致問題の交渉をめぐっていったん緩めた経済制裁を強化した上、人権状況に関して国連の新決議案提出などで北朝鮮を追及する動きを加速させているからだ。
核弾頭の搭載能力はまだないという見方が多いが、ノドンに関する技術は向上が伝えられる。
日本にとって脅威の度合いは確かに増している。
ただ必要以上に慌てれば、相手の思うつぼだ。
安倍晋三首相は国会で「国際社会と緊密に連携し、毅然(きぜん)として対応する」と表明した。主要国(G7)首脳会議(サミット)の議長国として、冷静に事態を見極める役目も担っているはずである。
中国を巻き込んだ各国の経済制裁はエネルギーや金融などの分野でかつてなく踏み込んだものの、現時点では北朝鮮を翻意させるに至っていない。だからこそ包囲網を粘り強く築き、金第1書記をこれ以上暴走させない手だてが求められる。
今月末から米国で開かれる核安全保障サミットに合わせ、日米韓首脳会談を行う案が浮上している。さらに4月には広島でG7外相会合が開かれる。
朝鮮半島の安定化に向け、まさに日本外交の真価が問われる。
その基軸になるべきは非核化を追い求める被爆国の信念ではないか。
だからこそ、参院予算委員会での横畠裕介内閣法制局長官の答弁に強い疑問を抱く。
日本の核兵器使用が憲法に違反するかどうかを問われて「憲法上あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えていない」との見解を示した。過去の政府見解には沿ったものとはいえ、法制局長官が核の「使用」について国会で言及すること自体が異例である。
菅義偉官房長官は、その後の会見で将来的な核保有は「全くあり得ない」と強調したが、
ただでさえ核兵器廃絶に向けた日本政府の消極姿勢が、少なからぬ国から批判されている。場合によっては核を使えるという憲法解釈なら、北朝鮮に限らず他国の核開発を正当化しかねないことも重々に認識すべきだ。(引用ここまで)
ビキニ被災船ヒバクシャへの仕打ちの最大の要因は
日米軍事同盟にアリ!
北朝鮮の無法と五十歩百歩ではないのか!
南太平洋諸島の民衆を無視・隠ぺいはできないぞ!
ビキニ国賠訴訟/被曝の解明につなげよ
中國新聞/2016/5/12 10:00
1954年の米国による太平洋・ビキニ環礁の水爆実験で被害を受けたのは、第五福竜丸だけではない。当時、その周辺海域にいた元漁船員や遺族らが国家賠償請求訴訟を高知地裁に起こした。
ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めてだ。日本政府が被曝(ひばく)に関する調査結果を長年にわたり開示せず、米国への賠償請求の機会を時効で失ったとして、元船員1人当たり200万円の慰謝料を求めている。60年以上も被曝の事実と向き合おうとしてこなかった国に元船員らが怒りをぶつけるのは当然といえる。
日本政府がこの問題から腰が引けてきたのは、第五福竜丸が被災した翌年に米国と政治決着をしたからだ。
冷戦時代のさなかであり、核兵器開発をソ連と競い合う米国は、ビキニの問題を早々に解決し、核実験を続けたかった。日本も戦後復興の中で米国の顔色をうかがっていた。両者の思惑が一致し、米側の責任を問わないまま見舞金200万ドルで幕引きを図った。しかし、それでよかったとは到底思えない。
ビキニ実験のあった周辺の海域には、第五福竜丸以外にも延べ千隻の日本船が航行していたという。政府は日本の港に戻ってきた船を対象に放射線量を検査し、大量のマグロを廃棄するなどしていた。
だが政治決着に合わせ、検査まで中止した。それ以来、政府は第五福竜丸以外の被害には何の措置も講じてこなかった。「不作為」の責任は大きい。
被害が表面化しなかったのは当初、船員たちも口を閉ざしていたからだろう。差別や仕事を失う恐れがあったとみられる。
それでも日本政府には国民の命と健康を守る責務がある。本来ならビキニ被曝の責任を負うはずの米国と安易な政治決着をした以上、被曝した恐れのある船員らの健康状態を把握し、支えるべきなのは明らかである。
さらに理解し難いのは、調査結果の開示に後ろ向きだったことだ。86年には国会で「調査資料が見つからない」とまで答弁した。市民団体の求めに応じ、延べ556隻の検査結果を示したのは2014年のことだ。
法廷では、あらゆる資料を基に被曝の実態を明らかにしてもらいたい。
船員らの被曝線量についても国は「健康被害が生じるレベルを下回っている」とするが、異論もある。
星正治広島大名誉教授らのグループは元船員の歯を分析し、うち1人は広島の爆心地から1・6キロに相当する放射線量と指摘している。
ビキニ被曝の調査は民間が主導してきた。国は埋もれた資料がないかさらに検証し、必要なら米国政府の協力も得て、事実に迫る責務がある。
今回の原告のうち高知県の元船員らはことし2月、全国健康保険協会に対し、船員保険の適用も申請したばかりだ。健康被害の救済も同時に進めるためだろう。認められると医療費や遺族一時金などが支給される。被曝と病気との因果関係の立証は簡単ではないが、訴訟と並行して実態解明を目指してほしい。
ビキニ被曝は原水爆禁止運動の契機となった。広島・長崎とともに被爆国が忘れてはならない歴史といえる。にもかかわらず原爆被爆者と異なり、元船員らは国の救済から漏れてきた。
このままでは許されまい。(引用ここまで)