「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「皇太子さまお生れなった」

2006-09-07 06:09:42 | Weblog
今上陛下がお生れになったのは昭和8年12月23日である。この日、東京
市内では、夜明けとともに丸ビル、愛宕山、上野の博物館など18か所
から一斉にサイレンが二回鳴り響いた。一回ならば内親王、10秒後に
二回目が続けて鳴れば親王(皇太子)誕生と、あらかじめ知らされていた。
そのとき僕は2年10か月、まったく記憶にないが、なぜか「皇太子さま
お生れなった」の歌詞とメロデイを覚えており、当時日本中が喜びに湧
いた模様を追体験できる。

#   「皇太子さまお生れなった」(北原白秋作詞 中山晋平作曲)

  (日の出だ日の出に 鳴った鳴った ポーオポー
   サイレンサイレン ランランチンコン 夜明けの鐘まで)
   天皇陛下お喜び みんなみんなかしは手
   うれしいな母さん 皇太子さまお生れになった

   (かっこ部分は重複)
   皇后陛下お大事に みんなみんな涙で
   ありがとお日さま 皇太子さまお生れなった

   (かっこ部分は重複)
   日本中がお喜び  みんなみんな子供が
   うれしいありがと 皇太子さまお生れなった
  

当時昭和天皇は32歳、皇后陛下は30歳だったが、先にお生れになった
お子様が3人とも内親王だったため国民は親王誕生への期待感が強かった。
それだけに皇太子の誕生はひとしお嬉しかった。北原白秋はその喜びを
この歌に表現しているが、若い世代に理解しにくくなった文言があるので
蛇足する。「かしは手」は神社を参拝したとき打つ二拍のこと。「お日様」
は太陽。戦前には日の出のさいご来光を拝む人がかなりいた。
今では毎朝神社に参拝したり、日の出を拝む日本人は少なくなった。