「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

歩け歩け 68年前のハイキングコース

2006-09-29 06:17:11 | Weblog
昭和13年9月発行の「歩け市民の健康路」というパンフレット(東京市・
東京鉄道局)が見つかった。”銃後の人々は歩こうではないか”と時代を
反映した、このパンフレットには、当時東京から足代一円以下で行けた26
のハイキング・コースを紹介されている。一円というと、今の千円ぐらいの
感じだろうかー。

江戸川河港 東葛飾 水元水郷 松蔭神社と九品仏 新田神社・矢口渡
鶴見川総持寺 都筑丘陵 萬騎ケ原 西郊緑地帯 野比止平林寺 滝山
丘陵 多摩聖蹟 貯水池めぐり 聖将遺跡 南多摩丘陵 氷川神社と安行
樹木村 八柱霊園と中山法華寺 高麗神社 古利根水郷 六国峠越えと鎌倉
多摩河原と枡形城址 大宮八幡・井の頭 聖蹟高幡不動 大泉風致地区
三富開拓遺跡 入間川

滄海桑園ー68年の時の経過で26のコースのほとんどは都市化の波に呑まれ
今は高速道路がはしり、高層のマンション群が立ち並んでしまった。
パンフレットの写真をみると、田園風景の中を行くは行くは行列を作って老若
男女のハイカーがー。面白いのは中折れ帽子にゲートル姿,下駄履きの着物
姿の女性が多いことだ。当時NHKの国民歌謡にこんな歌があった。

「歩くうた」 高村光太郎作詞 飯田信夫作曲 徳山環歌(昭和16年5月) 

歩け歩け歩け歩け 南へ北へ 歩け歩け 東へ西へ
歩け歩け路なき路も歩け歩け 路なき路を歩け歩け

これを歌った最後の世代も70代なかば、矢の如しだ。