「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

9.11同時テロとアラブの思考

2006-09-12 05:32:30 | Weblog
9.11同時テロから早くも5年たった。ブッシュ米大統領はイラクがテロの
温床地として2003年、フセイン政権を崩壊させた。しかし、イラク国内
情勢はいぜん不安定だし、世界的なテロの脅威は去っていない。根源の
パレスチナ問題は解決を見ていない。

数年前、読んで興味を持った「アラブ的思考様式」(牧野信也著=講談社
学術文庫)を読み返してみた。著者はアラブの人類学者サニア・ハマディの
著書を引用してアラブの気質と性格を次のように分析している。
(1)アラブは物事を極端にみる傾向を持つ。その視界には中間色がない。
  彼らは独断的な人々である。
(2)アラブは金を使わない金持ちを軽蔑する。ケチは嫌われる。
(3)アラブはきわめて些細で、どうでもよいことでも問題にする傾向が
  ある。主要かつ本質的な点を無視する。

パレスチナ人3人(ヨルダン国籍2、レバノン国籍1)の技術研修を約50日
間、北海道の岩見沢市で手伝ったことがある。またサウジアラビアの政府
高官の観光旅行に10間同行した経験もある。イスラムについては基本的な
理解をもっていたが、彼らを完全に理解するのは難しかった。僅かな体験で
ものを申すのは僭越だが、テロを撲滅するのは一朝一夕には行かない。
聖地をめぐる数千年前の紛争にまでさかのぼり、そのフラストレーション
を理解しなければ根本解決にはならない気がする。