「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

秋祭りに想う

2006-09-17 06:08:34 | Weblog
僕は赤ん坊のころ口をきくのが遅かった、と亡き母が言っていた。最初に
口にしたのは”ドンドン,カッカカッカ”-”祭り太鼓の口真似だったという。
そのころ住んでいた町の神社の祭礼は10月3日だから、2歳10か月、
たしかに周囲が心配したのもわかる。
「小学校唱歌」の「村祭り」(作詞・作曲不明)にも”ドンドン、ひゃらひゃら、
ドン、ひゃらひゃら”-と祭り囃子の音真似がある。やはり祭りには太鼓や笛
などが不可欠で、日本人の琴線を揺さぶるものがあるのだろう。

昨日からわが町でも秋祭りが始まった。子供たちの顔が生き生きとしている。
さっそく愚妻より背の高い小学校5年の孫が小遣いをせびりにきた。僕も
とたんに昔の夢があったお祭り風景を想い出した。神社の沿道には子供の
欲しがるものが色々とあった。吹き矢、お面、ハッカ・パイプ、カルメ焼き、
金魚すくい、ひよこ、海ほおづき、だるま落としなどなど。
夕刻、孫が帰ってきたので、愚妻が小遣いを何に使ったのか聞いた。孫の答えは
一個35円のコロッケを十個買って食べたという。返事はいかにも嬉しそう。
僕も愚妻もガックリ。しかし、ものは考え方だ。夢がなくともくだらなく浪費
するより賢明かもしれない。

戦争と戦後の混乱で、昭和一桁世代はほとんどお神輿を担いだことがないと思う。
元気な若い女性が”わっしょい、わっしょい”と街をねり歩く姿をみて、つくづく
平和を実感し、よい時代だと思う。