「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

勤労奉仕と社会奉仕 安倍新内閣

2006-09-27 06:00:14 | Weblog
戦争が終った昭和20年10月、僕ら中学3年生は戦災の焼跡整理に動員
された。第一京浜国道の旧品川区役所周辺は、まだ焼けた廃材やトタン板
などが堆く積まれていた。工場動員から解放されてやっと学園に戻れたとい
うのに、また一か月間僕らは学業を放棄,土方生活をした。国道をジープで
走る米兵が僕らに同情して”ラッキー・ストライク”(煙草)を投げてよこした。
交通費は出たが無償の奉仕であった。

安倍新内閣は教育再生の一環として国公立大学の入学時期を9月とし高校
卒業から大學入学までの期間、青年たちに社会奉仕をしてもらう案を教育
改革推進会議(仮称)で検討するという。戦後の日本人は自分たちが生きて
いる社会に対してあまりにも無関心で奉仕精神を忘れてしまっていた。
その意味で僕はこの案に賛成だ。

皇居外苑公園に約二千本の黒松が植えられている。全部ではないが、この
うちの数百本は皇紀2600年(昭和15年)の奉祝事業として、当時の旧制
中学校(女学校)の勤労奉仕で植樹された。今は皇居外苑になくてはならない
景観の一つとなった。

60年まえ、僕らは米兵が投げてよこした煙草をヤミで売り払い,その
おカネで近くの映画館へ行った。不良行為だが、今でも僕らの想い出の
中に生きている。徴兵制復活への第一歩などと反対しているグループも
あるようだが、等閑されてきた若者の社会への関心を呼び戻すためにも
ぜひ実現して貰いたい。ただし、その運用に当たっては識者の意見をとり
いれ慎重にお願いしたい。