「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

隔世のドーハ・アジア大会

2006-12-04 07:13:36 | Weblog
第15回アジア大会がアラビア半島のカタールの首都ドーはで開催されて
いる。44年前(昭和37年)の今ごろ僕は新聞の新年企画でこの国を訪れ
た。まだ独立前、ドーハは未開の砂漠の地、女性の黒いニルカ(頭からか
ぶるスカーフ)だけが目立つ異様な町だった。まさかここでアジアの45か
国の国と地域の代表が集まりスポーツの大典が催されるとは想像だにで
きなかった。

時の流れを感じる。昭和33年、第3回大会が東京で開かれた時、僕はイ
ンドとパキスタンのホッケーの熱戦を神宮競技場でみた。このときの参加
国は僅か20カ国に過ぎなかった。その後第8回(昭和53年)バンコク大会
まで日本の金メダル獲得数はいつも1位、スポーツ関係者の中にはアジア
大会を二流大会として軽視する向きさえあった。

ところが、今回のドーハ大会の日本の目標は、前回の釜山大会で失った金
メダル獲得数2位の座を韓国から奪回することだという。かってアジア大会
でいつも金メダルを独占していた時代を知っている世代にとっては、なんとも
なさけない気がする。

しかし、第1回大会が昭和26年、ニューデリーで開催された時の参加国は僅か
11か国だった。アジア大会の前身ともいえる戦前の極東大会では日本、中国、
フィリッピンの3か国だった。アジアは大きくなった。いつまでも昔の考えでいて
はいけない。大きくなったアジアでの日本の活躍を期待したい。