「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

家庭電飾 クリスマス流行考

2006-12-05 07:26:22 | Weblog
家の周囲のクリスマスの電飾が早くも夜空に映えてきた。きのう十三夜の
下、本通から家まで歩いて帰ると、僅か200mの道の両側で8軒の家が
イルミネーションで飾っていた。面白かったのは肝心のキリスト教会には
飾りがなく、その周囲の家々も電飾はなかった。教会に遠慮したのであろ
うかー。

一般の家庭でクリスマスの電飾を楽しむようになったのは、そんなに古い
ことではない。石油危機のころは繁華街のネオンさえ禁止されていたのだ
から。日本のクリスマスの行事には流行がある。戦後まもない、僕らが安
サラリーマンだった頃は、クリスマス・イブにピエロみたいな帽子を被り酔っ
払って家路にいそぐ姿をよく目にした。家庭への罪ほぼろしか、みな手には
クリスマス・ケーキを手にしていた。

戦前は東京でもあまりクリスマスは一般化していなかった。キリスト教信者
かよほど裕福な家以外は関心がなかったのではないだろうかー。ただ、なぜ
かイブの夜に寝床に靴下を置く、あの行事は子供心に覚えがある。我が家に
は煙突がないのにサンタはどこから入ってくるのだろうかと疑問に思った。
クリスマスより師走に入ると、子供にもなんとなく忙しく感じた。町にジングル
ベルのメロディが流れだしたの戦後のこと。戦前は歳末大売出しのチンドン屋
のジンタと福引の大当たりの声が12月の風物詩だった。

昭和一桁世代にはクリスマスというと、ビングクロスビーの歌ったホワイトクリス
マスと、何故か映画「少年の町」のフラナガン神父を想い出す。