「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”だるま”より"角"、"角”より”トリス”

2006-12-19 06:58:33 | Weblog
”だるま”の愛称で親しまれたサントリー「オールド」ウイスキーが団塊
世代をターゲットに復権の兆しがあるという。ピーク時には年間1,240
ケースも売れていたのが93年には50万ケースに落ち込んだ。そういえ
ば、僕の周りにも”だるま”を愛飲している人はいない。

1970年から80年にかけて「オールド」はサラリーマンのステータス・シン
ボルだった。当時中間管理職だった僕らがやっとバーやクラブで飲めて、
多分新人だった団塊の世代には"高嶺の花”的存在、羨望の的であった
のかもしれない。それだけに今、懐かしいのであろうか。

昭和1ケタの僕らには”だるま”よりは”トリス”や”角”に愛着を感じる。社
会人になった50年代は日本酒と焼酎が全盛だった。とくに焼酎は安サラ
リーマンにとっては手頃で、コップの受け皿にまでなみなみとつぎ、これに
”梅”か”ぶどう”を割って飲んだものだ。一杯30円の記憶だが。

昭和30年(1955年)代になってサントリーが全国に”トリス・バー”をオー
プン、僕らもウイスキーの味を知った。止まり木に腰をかけ、バーの中の
女性(ホステスとは言わなかった)をからかいながら炭酸で割ったハイボ
ールを飲んだ。当時”角”は、高級ウイスキーでなかなか僕らは飲めなか
ったものだ。僕ら世代にとっては”だるま”よりは”角””角”よりは”トリス”
なのだが、何分少数世代だ。声も声にはならない。