「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

アラブの奇跡 UAEの国づくり

2006-12-06 06:36:08 | Weblog
昨夜、東京の帝国ホテルでアラブ首長国連邦(UAE)の35回目の建国記
念祝賀会がり出席した。1962年12月、僕は独立前、この国が休戦海岸
(Trucial coast)と変な名前で呼ばれていた頃、主都ドバイに一週間滞在し
た。休戦海岸とは、その昔このあたりを棲み家にする海賊がペルシャ湾を
航行する英国船を頻繁に襲うので、英国が休戦協定を結んだ。これに由来
している。

44年前、僕が訪れた時ドバイには空港はなく未開の地だった。ホテルは
隣のシャルジャにあった飛行場を利用する航空会社のクルーが宿泊する小
さなものがあっただけだった。住民は昔ながらロバで飲用水を運びスーク
(市場)で野菜や魚を売っていた。クリークでは男が尻を出して自然排泄し
ていたほどだ。

ところが祝賀会で貰ったパンフを見ると驚きである。今や世界一の高層ホテ
ルが建ち、四つの滑走路を持つハブ空港を建設中、競馬ファンなら先刻ご
承知のG1レースが開催され、フリーポートでは世界の高級品があふれ若い
女性観光客、あこがれの地だという。

UAEはいわゆるオイルマネーで飛躍的に伸びた国である。しかし、ドバイには
は油は出ない。これがかえって良かったのかもしれない。名君といわれる前の
首長の積極的な国づくりで奇跡を起こした。

酒好きの僕にとってイスラム国のパーテイは苦手である。アルコール類がご
法度だからである。その点,UAEのパーテイはそんなことはない。昔は厳しく
酒の持込を取締っていたのだが。やはり世界的に飛躍するには”融通性”が
必要なのかもしれない。宗教は自身の信仰であり、戒律はその信仰のために
あるのだから。