「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「喪中葉書」と「忌中葉書」

2006-12-07 06:42:26 | Weblog
加齢とともに毎年「喪中葉書」「忌中葉書」が増えてくるのは仕方がない。頂戴
して困るのは通りいっぺんの通知で、どなたが亡くなったのか明記してないも
のだ。親しい人の場合は問い合わせてもよいが、普通はそのままにしてしまう
が、ちょっとどなたが亡くなったのか触れてくれたほうが親切だと思うのだが。

年に数枚は友人知人の遺族からの葉書もある。その中には亡くなった直後に知
らせを受けたら葬儀に出席出来たのにと残念に思う。しかし遺族にとっては葬
儀はいろいろ煩わしいので”近親者のみ”で済ませてしまったのだろう。その気
持ちもわからないでもないのだが。

仏教関係者のネットによると、「喪中」は自発的に故人を偲び自分の行動を慎む
意で、明治の大政令では父母13か月、妻6か月が謹慎期間だが自発的なもの。
一方「忌中}は死の穢れを49日間、外の人との接触を絶つ期間で、強制的な意
味を持つ。

しかし、一般には「喪中」「忌中」の本当の意味を知って使用している人は少ない
のではないのだろうか。残念ながら仏教自体が日本人の日常生活から遊離して
しまっている。昔のように喪に服する人はほとんどいない。ある意味では「喪中」
「忌中」は形骸化しているが、年末の挨拶状だけには生きている。

近年、年賀状をメールで送る人もあるが、「喪中」「忌中」の挨拶だけはメールで
済ませるのだけは、やめてもらいたいものだ。