「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"残留孤児”支援を一日でも早く

2007-02-02 07:03:53 | Weblog
”中国残留孤児”に対する特別支援策がこの夏までにはっきりとした形
で示されることになった。いわゆる”女性は子供を産む機械”発言で野党
欠席のままの国会予算委員会で昨日、柳沢厚労相が与党議員の質問
に答えて言明した。

東京地裁は1月30日”残留孤児”2,200人が起こしている一連の集団
訴訟に対して、国には責任がないと冷たい判決を下した。が、翌31日、
安倍総理は”孤児”代表を官邸に招き、政府が特別支援策を準備してい
る旨明らかにした。あらかじめ用意されていたシナリオなのかもしれないが
間発をいれない政府の行動はよかった。国会が混乱している最中だけに
ヒットだった。

”孤児”は敗戦のドサクサの中で進攻してきたソ連(当時)の犠牲になり、
中国に"遺棄”された人々である。彼らは国策の満蒙開拓にそって中国
に渡った家族の子女である。しかも昭和57年、日中正常化以後、故国に
帰国したが、総理のいうように彼らへの施策は十分とはいえない。訴訟
原告40人のうち25人が生活保護を受けている。

あの戦争のため日本人全体が、なんらかな形で犠牲をうけている。被害が
軽いわが家でも一人だけの姉が食糧難による栄養不良で死亡、強制疎開
で家を壊されている。しかし”孤児”たちは、一生を戦争に翻弄され、苦労
されたまま老後を迎えている。一日も早い政府の暖かい支援を期待する。