「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「紀元節」 不敬罪

2007-02-11 06:07:23 | Weblog
「天皇家の亀裂 雅子妃の孤独」-と昨日の新聞が大きな活字で
ある月刊誌の広告を出していた。内容を読んだわけではないが、昔
なら”不敬罪”、即刻発売停止となっただろう。

きょう11日は建国記念の日、昔の「紀元節」である。昭和13年早生
まれ以前の日本人は、みな学校の式で「紀元節」の歌を合唱、紅白
の饅頭を貰った想い出がある。
        ▽ 雲にそびゆる高千穂の
          高根おろしに草も木も
          なびき伏しけん大御世の
          仰ぐ今日こそ楽しけれ (作詞 高崎正風 
                         作曲 伊沢修二)
「紀元節」は神話に基づくわが国の建国を祝う国の祭日だった。ニニミノ
ミコトが高天原から高千穂に降臨、その曾孫,神武天皇が初代の天皇と
して即位した日ーであった。

戦前、天皇はこの神話により"生き神様”であった。明治生まれの亡父は
新聞に皇室関係の写真が載ると、それを切り抜いて神棚に上げ、月に2回
1日と15日、手をあわせて拝んだ。僕らは学校で「ジンム、スイゼイ、アン
ネイ、イトク、コウショウ,コウレイ・・・」と暗記させられた。
       
敗戦で”生き神様”は"人間天皇”を宣言、神話の世界も日本人から忘れ
られ、天皇は日本国の象徴となった。雑誌が”天皇家の亀裂”と書いても
昔のように不敬罪で訴えられない。しかし、どうだろうかー。国家の象徴
であるる天皇ご一家のプライバシーである。”生き神"時代を知っている僕
はいくら言論の自由な時代とはゆえマスコミは良識をもち自制すべきだと
思うのだがー。