「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

公立一貫校は”教育格差”の拡大だけ

2007-02-13 06:16:47 | Weblog
今週は孫(中三男)の"受験ウイーク”である。毎日のように高校入
試へ出かける。週末には結果が出るが、何とか希望校に合格してく
れればと祈っている。30数年前、息子の同じ受験の時よりはその
思いは強い。

新聞によると、首都圏の小六で国立,私立、都立(公立)中高一貫
校を受験する子供は5人から6人に1人、場所によっては4人に1人
に上っている、という。理由は"ゆとり教育”によって区立(公立)中学
へ行っても高校入試で苦労し、また大學入試で苦労しなければなら
ないからだという。わが家の孫もご他聞にもれず、早くから塾通いを
させた。

僕の意見は公立の一貫校には反対である。簡単な理由である。義務
教育は学校、家庭、地域社会の三位一体の相乗効果による、と信じて
いるからだ。いま、問題の”いじめ”も”少年犯罪”も、この三者の連携が
あれば防止できる。昔は地域の人々と学校、家庭がもっと親密な関係
にあった。

家の近隣にも昨年、都立の中等高等学校(中高一貫校)が開校した。入
試倍率は非常に高く、早くも有名大学入試のための"名門校”化してきた。
昨年は学校のある地区からはほとんど合格者が出なかった。地元にいて
も学校の存在すら知る人が少なく地域社会と遊離してしまっている。かっ
ての師範付属校は教育実験校としての存在価値があった。しかし、今の一
貫校は何のためにあるのかー。塾を儲けさせ、"教育格差"を拡大させる
だけだ。