「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           日本人の立ち小便

2009-07-01 04:57:30 | Weblog
日本航空(JAL)の副操縦士(53)がハワイの公園で立ち小便をして警察に留置
され、その影響で飛行機が欠航したという。なんともみっともない迷惑な話だが
僕も半世紀ほど前、海外で同じ経験をしている。若かった時とはいえ、今でもそ
れを思い出すと慙愧にたえない。

昭和37年秋、初めて僕は海外旅行へ行き、エジプトのカイロのナイル川沿いの
ホテルに泊まった。したたか酔っており、その酔い醒ましのため川への道を降り
ると急に尿意を感じた。誰もいないと思ったら、暗がりから警官が現れとがめら
れた。幸いそれだけで済んだが、とたんに酔いが醒めた。

戦前から昭和40年頃まで日本は"酔っ払い天国”であった。世間も酔っ払いには
寛容で、街中で男が立ち小便しても見てみぬふりをした。路地の空き地には”立
ち小便禁止”の看板や鳥居の絵が描かれてあっても平気で用を足していた風景
がよくみられたものだ。

この2,30年、あまり昔のように悪酔いする日本人は減ってきたようだ。あるいはマ
ナーがよくなってきたのか立ち小便する男はいなくなった。世の中悪くなるばかりと
嘆いているが、これは進歩だ。警視庁管内にかって”トラ箱”という泥酔者保護セン
ターがあったが、数年前鳥居坂センターを最後に廃止になった。でも、どうだろう。
ハワイのように”立ち小便”で警察に2日間も留置され罰金をとられることはない。そ
の意味ではまだ"酔っ払い天国”なのだろうかー。