「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       オバマとエンクルマ 二人の大統領

2009-07-12 05:28:10 | Weblog
オバマ米大統領がサハラ以南のアフリカ初の訪問地としてガーナを選んだ。そ
の模様をBBCテレビでみたが、現地の熱烈な歓迎振りと、それに応えるオバマ
大統領の雄弁な演説に、黒人でない僕も胸を打たれた。ガーナが共和国に移行
した1960年は"アフリカの年”といわれ、アフリカで新たに17カ国が誕生した。その
当時、僕は新聞社の外信部に勤務しており、ガーナの初代大統領エンクルマの
横顔を新聞に書いた記憶がある。

エンクルマは「ゴールド・コースト」と呼ばれた英国植民地時代に鍛冶屋の息子と
して生まれ、苦学して米国に留学、戦後帰国してサハラ以南のアフリカでは初め
てガーナを独立させた脱植民地主義のの指導者であった。独立後も強力な指導
力で政治を動かし独立後混乱が続く他のアフリカ諸国の中にあって安定したガー
ナの基礎を築いた。オバマ大統領もエンクルマを"巨人"と呼び、ガーナの民主政
権を賞賛した。

オバマ大統領は演説の中で、欧州諸国がかって植民地時代、現地の実情を無視
して国境を線引きしたのが、今のアフリカ諸国の紛争の因になっていると述べたが、
これはアフリカ系大統領だからこその発言である。一方で彼は自分の祖先の地ケニ
アの国民総生産が昔は韓国より上だったのに今は抜かれてしまったのを例に引き、
アフリカ諸国の自助努力を呼びかけた。これもアフリカ系大統領ならではの発言で
説得力を感じた。

1960年代の米国では南部を中心にまだ黒人差別があった。その国の大統領にアフ
リカ系がなり、かっての奴隷貿易の地に、祖先が奴隷だったという黒人の夫人を
伴い訪れるー世界は変わってきた。