「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        スーダン人からの2年ぶりの手紙

2010-01-14 07:26:18 | Weblog
スーダンのイブラヒム・バシャール君から2年ぶりに年賀状が届いた。バシャール君
は23年前、JICA(國際協力機構)の技術研修員として来日、1年間、自動車工学を
学んだ。その際、他国の研修員と共に僕が面倒をみた一人だ。

僕の経験では開発途上国、とくにイスラム圏からの外国人とのお付き合いは難しい。
多分、日本人は歴史的に回教圏との接触がなく、彼らの考え方、生活習慣について
あまり知らないかだろう。1年間、研修を通じて面倒をみても、帰国後礼状を貰ったこ
とはない。欧米人や中国人の中には、クリスマスや新年には挨拶のカードを送ってく
るが、回教圏からはない。

そんな中にあって、バシャール君は帰国以来、毎年新年には挨拶のカードをくれ近況
を伝えてくる。彼は数年前から家族と一緒に出稼ぎでUAE(アラブ首長国連邦)に滞在
している。たまたま、2年前、僕はUAEドバイの首長一族の招待で同国を訪れる機会に
恵まれた。そこでバシャール君に再会できると思い、事前に僕の訪問スケジュールを
送ったが返事がなかった。

僕は彼が故国に帰ったのだと残念に思っていたが、今年貰ったカードによると僕のUAE
訪問にはいっさい触れていない。多分僕の手紙が届かなかったに違いない。UAEといえ
ば、最近世界一高いビルが建ち、いろいろセレブな話題を提供しているが、郵便事情、
とくに配達面が悪いようだ。バシャール君を始め郵便を私書箱(PO-Box)扱いにしている
人が多い。それでも未配事故が多く、僕は他にも同じような経験をしている。その点では
日本の郵便制度は世界に誇れる。