「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         災害は忘れた頃にやってくる!

2010-01-17 07:19:27 | Weblog
阪神・淡路大地震から早くも15年である。あの地震が発生した時、僕はたまたま
マレーシアのクアラルンプールに滞在していた。朝起きてホテルのテレビをつける
と地震で崩れ落ちた高速道路の映像があり、ショックを受けた。つい昨日のように
思い出されるのだがー。

首都圏の人間にとっては関東大震災(1923年)が、昔から体験者によって語り継
がれてきたが、すでに86年も経ち、直接の体験者は少なくなった。子どもの時は
僕の周囲にも体験者が沢山いて、生々しい話を聞き、震災の恐ろしさを個人的に
聞いたものだが、不思議と震災記念○○年の記憶がない。震災15年目は、昭和
13年なのだが、考えると日支事変が始まっていて、震災を振り返るどころではなか
ったのかもしれない。

昔、よく年寄りから地震70年周期説を聞いた。関東大震災は安政大地震(1855年)
から68年目に起き、その前の天明地震(1782年)は83年前、そして、さらにその前
の元禄地震(1703年)は79年前に発生している。こうしたサイクルが70年周期説な
のかもしれないが、まったく根拠はない。

幸い僕の80年に近い半生の間では、一度も大きな地震を体験していない。その代わ
りと言ってはおかしいが、空襲(1945年)を体験している。と言っても落ちてきた焼夷弾
を火たたきで消した程度である。神戸・淡路大震災15年、当時のテレビの画像をみて、
寺田寅彦博士の”災害は忘れた頃にやってくる”という警句を思い出した。