「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

公明党山口代表の「靖国」めぐる尊大な発言

2014-08-08 05:44:21 | Weblog
公明党の山口那津男代表が原爆記念日の8月6日、広島での記者会見で”阿部総理は非常に意味のある日に靖国神社に参拝すべきではない。外交的に新たな問題を起こすべきではない”と総理の靖国参拝に自制を求めた。8月15日は、日本が戦争に負けた日であり”非常に意義のある日”点では、山口代表と同じ意見だが、外国からの不当な干渉がら参拝をやめろ、と総理に迫るのは尊大しすぎる。山口代表はかって、安倍総理を「馬」にたとえ、中国の諺を引用して”快馬は鞭影を見るや正路につく”と発言しているが、一国の総理を「馬」にたとえるのは失礼である。与党を組む政党の代表の発言ではない。

8月15日の終戦記念日の頃になると、毎年総理や閣僚の靖国神社参拝の是非をめぐってマスコミが騒ぎだす。僕はかってこの拙ブログで書いているように敗戦記念日のこの日に政治家がことさら〝徒党”を組んで神社に参殿する必要はないと思っている。国としては毎年、天皇皇后両陛下臨席の下、総理以下の閣僚も参席して全国戦没者慰霊祭を開催してる。靖国神社参拝は個人の心の問題であって国の行事ではない。

調べてみると、終戦から69年になるが歴代の総理のうち14人が靖国神社を参拝しているが、そうち8月15日に参拝しているのは歴代総理のうち,三木武夫、福田赳夫、鈴木善幸、中曽根康弘氏の4人だけでその回数は9回だけである。残りの10人は吉田茂氏をはじめ8月15日ではなく靖国神社の春秋例大祭を中心に参拝している。

総理の靖国参拝が今のように政治問題化してきたのは昭和60年の中曽根総理の時からである。この時まで総理が靖国神社に参拝してもあまり大きく取り上げなかった朝日新聞が、急に中曽根総理の”公式参拝”にかみつき大キャンペーンを展開してからだ。そして、これに呼応するように中国、韓国が批判を強めてきた。この結果、中曽根総理も靖国参拝を中止してしまった。山口代表の言うように8月15日は、日本人にとって敗戦という意義ある日には違いないが、総理の靖国参拝の日と特定されているわけではない。この時期に山口代表がこのような発言するのは不適切である。