「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

果物、野菜の一個売り考

2014-08-30 05:19:28 | Weblog
新聞の折り込み広告に近くのスーパーの月末95円均一セールのチラシが入ってきた。が、鮮魚、精肉だけで野菜はない。普段なら野菜がセールの目玉なのに、このところの天候不順による品不足で値上がりして95円ではわりに合わないのだろうか。勤め帰りの娘が老妻の求めに応じてキウリを買ってきたが一本百円もすると、たった一本だけ買ってきた。

いつも夏の終りのこの時季は、出来秋までの一時野菜や果物が値上がりする。しかし、今年はその値上がりが激しい。昨日病院帰りに駅に隣接するスーパーをのぞいたら、旬の秋刀魚が一匹230円で店頭に出ていた。まだ走りだから高いのは仕方がないが、秋刀魚にはつきものの大根が半分で120円もしている。長ネギ一本も115円である。これでは野菜売り場は閑散としていて閑古鳥が鳴いていた。

果物や野菜が個別で売られるようになったのはいつごろだろうか。昔の八百屋や果物店では、店頭に幾つか皿に盛られて売られていた。家庭が小人数化し、独身家庭が増えたのだろう。この数年、ス―パーでは一本単位、一個単位で売られるようになった。昨日もスーパーで、唯一つ百円を割る目玉商品として「さんつがる」が一個95円で売られていた。しかし、頭の固い僕は買う気になれない。

名前も聞いたことがない大型の新種の梨が一個135円で売られていた。戦前昭和の頃は梨といえば、9月中旬の町の秋祭りの頃に出回ってきた。長十郎が中心で、石梨という味気のない品種もあった。僕の当時の感覚では梨は安い庶民の果物であった。最近はスイカほどの大きさの梨もあり、一個数百円もするそうだ。ブドウも新種改良されて大型の粒の、舌をかみそうな名前の高級ブドウが多くなった。貧しかった戦前昭和の時代に育った僕らの世代は果物はやはり安くて沢山たべられるほうがよい。昭和一けたの貧しいサガである。