「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

インドネシアの慰安婦強制連行を依然認める朝日の釈明特集

2014-08-10 05:15:43 | Weblog
朝日新聞の慰安婦問題についての釈明記事を友人から借りて読んだ。「読者のみなさまへ」という囲み記事を見て驚いた。相変わらず”インドネシアなど日本軍の占領下であった地域では、軍が無理やり連行した資料が確認されている”と書いている。朝日はつい最近の昨年11月28日付け紙面で「慰安婦問題 インドネシア女性証言」という特集記事を紹介しているが、これは朝日の90年代の一連の虚報と同じ手法である。見出しの”インドネシア女性”を”韓国女性”と言い換えれば、まったく同じ報道姿勢である。つまり、きちんとした証拠もない、女性の証言を一方的に紙面に報道している。

小ブログは今年2月3回にわたって、この朝日記事の誤りを指摘したが、かりに朝日が報道するようなことがあれば、戦後の和蘭マカッサル裁判で関係者は逮捕され処分されているが、裁判記録にはない。この女性がいた南セレベス地区は、戦争中海軍の軍政下にあり、軍規も厳しく、女性が”証言”するようなことはありえない。韓国の場合と同じく、証言についての裏付け証拠は全くない。

インドネシアの慰安婦問題は、すでに解決づみである。インドネシア政府は1996年、アジア女性基金からの申し入れに応じて3億6千万円を受け取るに際し声明を発表し(1)この基金はインドネシア側から要求したものではない(2)個々の慰安婦は特定できない―として基金は自国の高齢者福祉施設の建設にあて、2006年この事業も完了している。僕の手元に、インドネシア国章入りのこの回答文書のコピーがある。インドネシア側は1958年の日イ平和条約のウェーバー規定を配慮して、このような形で慰安婦問題に幕を引いた。この点は外交無視の韓国と全く違う。

今回の朝日の記事は、釈明に終始しているが、証拠も上げずインドネシアで日本軍による強制連行があったとしている。朝日は1990年時代はまだ研究が進んでいなかったと、慰安婦と挺身隊との混同を弁解しいる。しかし、インドネシアの慰安婦問題については既に研究が進んでいる。例えば朝日が強制連行の根拠としている戦後の和蘭BC級裁判記録について朝日は目をとおしたことがあるのだろうか。いずれにせよ、すでに日イ両国政府間で解決済みの問題を変に煽動して何の意味があるのだろうか。