「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「孔子学院」の戦略 日本は大丈夫か

2014-12-07 06:02:12 | Weblog
米下院外交委員会が、中国の「孔子学院」に対して米国内の”学問の自由を脅かしている”として監査院(GAC)に調査を求めた。「孔子学院」あまり聞きなれない機関だが、中国の教育省に属し、世界約120の国と地域のおよそ450の大学と提携し、中国の文化と教育の普及を通じて相互の友好を促進す目的で設置されている。ところが、この「孔子学院」が最近、米国やカナダの大学で閉鎖されるところが出てきた。はっきりした理由は判らないが、中国が「孔子学院」を通じて、特定の思想を宣伝し、カリキュラムにまで介入しきたからのようだ。

寡聞にして知らなかったが、日本にも「孔子学院」が10幾つかある。最初に設置され一番活発なのは「立命館孔子学院」で、2005年北京大学との間に設立され、現在京都の大学のほか東京、大阪にも分校があり、主として中国語の講義や文化講座を定期的に開催している。関東に住んでいる僕には、関西の大学についてはよく知らないが、10年近く前、機会があって立命館の「国際平和ミューアム」を見学した。

今でも覚えているのは、展示物のなかに南京虐殺当時のものとされる残虐な写真があったことだ。南京虐殺については諸説あり、未だにはっきりしないが、中国では30万人以上が虐殺されたとして、現地に当時の模様を伝える博物館もある。僕が立命館ミュージアムで見た写真は、たしか「南京事件」1週間後、揚子江岸で撮ったとされる現地の写真のコピーであった。

「孔子学院」と「国際平和ミュージアム」との関係は、これも寡聞にして知らないが、同一大学内の組織である。ミュージアムは関西地区の一部の小中学校では修学旅行のコースにもなっていると聞く。文科省は、いちど「孔子学院」の実態を調べて見てもいいのではないか。