「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

墨で消された大東亜戦争を伝えるマレーシアの歴史教科書

2014-12-08 05:43:58 | Weblog
73年前の昭和16年(1941年)12月8日午前2時15分(日本時間)、大東亜戦争はマレー半島東部のコタバル海岸への第18師団支隊上陸作戦で戦火の火蓋が切って落とされた。ハワイ奇襲作戦に先立つこと1時間半ほど前である。昭和19年文部省国定国語教科書巻6は「コタバル作戦」として、これを紹介している。しかし、この教科書の記述は戦後、進駐軍の命により墨で消され、そのまま抹殺されてしまった。

「コタバル作戦」だけでなく、当時の国定教科書には「マライ(マレー)を進む」「不沈艦の最後」といった題で、日本軍が激しい敵の抵抗を排除してマレー半島を南進し、僅か1か月半でシンガポールを占領した戦記や、当時世界一を誇った英国の極東海軍の”不沈艦隊”を撃破した空中戦の模様を紹介している。今、80歳前後の日本人は皆、これを学校で学んだが、戦後昭和21年、進駐軍の命令により、学校で先生からすべて消すように指導された。以後日本人はこの史実を忘れられてしまった。

ところが、マレーシアの歴史教科書には、マレーシアの建国はコタバル上陸作戦から始まるという記述があることをネットで知った。(http://www5f.biglobe.ne.jp/~thai/page014.hfmf)内容を全文読んだわけではないが、マレーシアの歴史としては当然、避けられない史実である。2012年、僕は戦争中英国軍が降伏文書に調印した跡地にあるシンガポールのブキティマ戦争博物館を訪れ、館所蔵の戦争中の記録映画を見たが、日本軍の「コタバル作戦」や「マライを進む」「不沈艦の最後」も記録として残っていた。

日本人の4分の3は戦後生まれで戦争の事は知らない。変な自虐心があってか先の戦争については、避けて通る傾向があるが、史実は史実としてきちんと学校で教えるべきである。さもないと、結果的には不幸である。