「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

多くを語った敗軍の将 悲運の海江田代表

2014-12-16 06:33:56 | Weblog
衆院選の東京1区から出馬して落選、比例代表東京ブロックでも票が及ばなかった民主党の海江田万里氏が、昨日責任をとって正式に代表から身を引いた。衆院選の結果について、海江田氏は”自分の力のなさを反省している。候補者を過半数たてられず、政権選択の選挙にならなかった”と陳謝した。まさにその通りである。政権奪還を期す野党第1党が、最初から過半数にたりない候補者では勝ち目がない。何故”背水の陣”でのぞまなかったのだろうか。

ちょうど2年前の12月、衆院選の大敗を受けて民主党代表に選出された海江田氏は就任の記者会見で得意の漢詩を披露し心境を語った。
朧月扶桑戦鼓鳴 寒天寡助計無成 将軍功尽万兵斃 粉骨砕身全比生
民主党のHPによれば、”戦い(2012年選挙)は失敗に終わり、残念ながら多くの将軍(党の領袖)も倒れた。この上は自分は骨を砕き声明を(党のために)捧げたい、という意味だそうだ。

「敗軍の将は兵を語らず」(史記]。三省堂の慣用句辞典によれば”失敗した者は。そのことについて意見を述べる資格はない”そうだが、海江田氏は辞任の会見で、漢詩こそ披露しなかったが、多くを語っているように僕には覚えた。海江田氏の辞任を受けて、民主党は新しい代表の選出に入るが、また、いつものように党内で、選出の方法、時期などを巡って対立があるようだ。代表候補の名前も例によって例の如しだ。

海江田氏は”粉骨砕身”、代表を果されたと思うが、結果的には火中に栗を拾うような2年間だった。悲運の人である。多くを語りたくなるのもよく解る。