「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

半月遅れの80老人の花見と”こしかた”の想い出

2015-04-10 06:03:39 | Weblog
昨日、近所に住む70年来の”竹馬の友”に誘われて駒沢五輪記念公園へ散歩に出かけた。桜の花は開花してからすでに半月、ほとんどが散り、葉桜に変っていたが、まだ何本か遅咲きのものがあり、僕らはスーパーから、おにぎりと缶ビールを買ってきて、半月遅れの花見を楽しんだ。

土日にはジョギングやサイクリングで賑わう園内も、平日のせいか人もまばら、遊具の下で遊ぶ保育園児や、近くの学校の生徒たちが広場でフットサルをしているぐらいで閑散としていた。数年前まで、友人は強脚を誇り公園内を一周したり二周したりしていたが、腰を痛めコルセットをしていて、長く歩くと痛みが出てくるという。僕も自転車に乗って友人の歩きのお付き合いが出来たが、膝の手術で今は出来ない。

二人は遅咲きの桜の花吹雪の下で、”こしかた”の想い出を語ったが、どうしても天皇.皇后両陛下のぺリリュー島慰霊の旅もあり、中学生だった戦時下の話になった。70年前の4月15日の京浜大空襲で、僕らが動員されていた六郷(大田区)の軍需工場は灰塵にきした。友人の家は、この空襲にもあったがやっと火の手を食い止めた。しかし、結局5月23日の山の手大空襲で全焼してしまった。

広場でフットサルを楽しんでいる子供たちは、ちょうど僕らが軍需工場で旋盤を回していた当時と同じ年齢である。元気いっぱい、彼らは喜々としてボールを追いかけている。つくずく平和な好い時代だと思った。70年前、僕らが彼らと同じ年頃には軍需工場で旋盤を回し、豆粕まじりのおにぎりで空腹を満たしていた。スポーツどころではなかった。

今朝友人からメールが届いた。「久しぶりの散歩。気分爽快、楽しい一日でした」 まさに僕も同感の一日であった。