「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「大東亜戦争とマレー、昭南、英領ボルネオ 虐殺の真相」

2015-04-12 05:15:31 | Weblog
終活の一つとして、この10年来温めていたテーマ「大東亜戦争とマレー、昭南、英領ボルネオ 虐殺の真相」がやっと本になり昨日、出版社から届いた。僕はこの本の中で、敗戦後、進駐軍の命令で墨で消されたまま、歴史の舞台から消えてしまった、マレー.シンガポール作戦を、若い世代の方々に紹介する一方、3年余の軍政下で起きた”粛清”という名の虐殺の真相についても知って貰いたかった。そして、さらに敗戦後、この地域で軍関係者が味わった苦難も後世に記録として残したかった。

僕がこのテーマに関心を持ったのは、10年ほど前、当時流布されていたスマトラ.ブキティンギでの労務者虐殺の虚妄について、第25軍司令部戦友会の方々と知り合ってからだ。第25軍はブキティンギに移駐する前、、マレー.シンガポール作戦に従軍した部隊である。彼らにとっては、戦争の記憶といえば、大勢の犠牲者を出した緒戦の上陸作戦であり、頂戴した戦友会誌も大半はその時の記録であった。

以来、時間を見て僕は知り合いの戦友会の方々から当時の模様について聞き取り調査をする一方、現地へも何度か足を運んだ。それで解かった事の一つはシンガポールで占領直後起きた”粛清”という名の華僑虐殺が、マレー各地でも発生、これは日本軍による華僑抹殺計画に基づくものだという説が、堂々と日本の有名な出版社から出ている本の中にも記述されており、マレー各地の大都市で数千人単位で虐殺されたと書いてある。もちろん、そんな事実はない。

最近「歴史戦」という言葉をよく聞く。しかし、過去の歴史を知らないで、これに戦うことはできない。小著は日本側の資料だけでなく、相手側の資料も照合して書いたつもりである。すこしでも「歴史戦」にお役に立てば幸いである。

(出版社)朱鳥社 ☎03-5358-3984 FAX 03-5358-3986 定価本体1500円+税