「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

後期高齢者から見た「老人」の定義

2017-01-07 06:32:51 | 2012・1・1
日本老人学会などが従来「老人」とされていた”65歳以上”の定義を”75歳以上”に見直すべきだと提案した。現在85歳11か月の僕の体験から見ても当然のように感じる。僕の場合は65歳まで仕事をしていた。70歳まで働ける仕事だったが、余生を楽しみたいと思い辞職した。しかし、自分が「老人」になった意識はなかった。

平成20年4月、福田康夫内閣の時「後期高齢者医療」制度が施行された。その時野党民主党の代表だった鳩山由紀夫氏らが、”おばあちゃんの原宿”巣鴨の街頭で宣伝車の上から”姥捨て山”制度だと獅子吼していたのを想い出す。困った福田首相が、通称”長寿”制度なのだといったが、いつの間にか忘れれてしまった。当時、僕は77歳だったが、まだ元気で”後期”とは失礼だと感じたものだ。

昨日、僕ら夫婦が住む東京の区役所の老人福祉課の職員が、要介護1の認定を受けている夫婦の更新確認調査に来宅した。二人とも3年前、ガンの手術で入院、さらに僕の膝の人工関節置換手術などが重なって、要介護1の認定を受けた。そのおかげの介護サービスで家のトイレや風呂場などに手すりなどをつけ、老人用に改築出来た。更新手続きのため、色々テストがあったが、二人とも”ボケ調査は大丈夫だったが、やはり、身体にはガタがきている。後日、区役所から認定延長の可否の通知があるが、調査を受けること自体、すでに「老人」になった証拠である。

90歳以上の老人を「超高齢者」と呼んだら、どうかという提言でもある。問題は年齢が幾つからということではない。それぞれ人によって違う。僕の場合は、75歳から、このブログ「老人タイムス」を始めたが、その時、心の中の反面には、まだ自分は老人ではないという意識があった。「老人」だと思ったのは介護の認定を受けてからであった。いずれにせよ、65歳―74歳は老人ではない。