「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

どうなっているのか 有識者会議と「天皇退位」報道

2017-01-12 06:08:42 | 2012・1・1
昨日の読売新聞の朝刊1面トップ(1月11日首都圏版)に「19年元旦新天皇即位 元号半年前までに」と大きな活字が躍っていた。正直言ってあまり皇室関係の記事には関心がない、僕だが、併読している産経新聞に一昨日、同じような内用の記事があったのを想い出し、両紙を比べてみた。産経も1面トップに扱っており、見出しは「新元号平成31年元旦から 皇室会議を経て閣議決定」と一見違うようだが、ほぼ内容は同じだ。読売と同じような内容の記事が、朝日など他紙にも載っているところを見ると、産経の記事は「特ダネ」だったようだ。

新聞界では、他紙に先立ってビッグニュースを報道し、他紙がその後、追っかけて書く記事を「特ダネ」と呼ぶ。その意味では産經の記事は”特ダネ”なのだが、菅義偉官房長官は、記者会見で新聞報道について政府はしらないと否定し、有識者会議の御厨貴議長(東大名誉教授)は”新聞報道について議論の対象になっていない”といっている。いったい、どうなっているの国民にはわからない。

産經の「特ダネ」のニュースソースはどこなのか。読売など他紙が追っかけて報道した根拠は何なのか。推測だが、「政府」のどこかで有識者会議の話し合いの進め方にごうをにやし、意識的に新聞を利用したのではないだろうか。産経の「特ダネ」にケチをつけるわけではないが、他紙を含めて見事に「政府」の策略にハマってしまった。こうした記事は一日を争うものではない。読者にとっては正確な記事が欲しい。といっても、僕も若い時は「特ダネ」を求めて、まんまと取材相手に利用された事もあった。今思うと忸怩(じくじ)たるものがある。