「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

忘れられた老人福祉 東京都の”メリハリ”予算

2017-01-26 06:44:09 | 2012・1・1
来年度の東京都予算が昨日、小池百合子知事から明示された。小池知事が昨年の選挙で公約した「ダイバーシテイ」「スマートシテイ」「セーフシテイ」実現を目指した”メリハリ”のある予算案だというが、老人のヒガミなのだろうか、僕には新聞報道で見る限り、老人福祉対策が欠落している。

誰もが生き生きと活躍できる都市(ダイバーシテイ)実現の第一歩として知事は待機児童解消に1630億円を計上した。また、都内の私立高校授業料を一定の所得制限を設けたが、無料にすため138億円を盛り込んだ。産経新聞の社会面の見出しは”小池流メリハリ予算 教育女性充実 大企業補助は慎重”とあった。

老人福祉施策については新聞からはうかがえない。確か東京都は特別養護老人施設への入居待ち老人は全国一だった筈である。一昨年度の法改正で入居基準が要介護3と厳しくなったため、待機老人は数の上では減ってきたというが、それでも数千人単位の老人がいる。それに、介護職員の不足から、福祉の目玉のデイ.サービスも充実しているとは思えない。古い団地の”限界集落”対策はどうなのか。

僕が老人の立場から評価したのは洋式トイレの推進化だけだ。都心の都営地下鉄でさえ、昔流の和式が多く、足腰の弱くなった年寄りを困らせる。無電柱化、LEDの普及も結構だが、年寄り泣かせの都営地下鉄駅のエレベータ不足、下りエスカレーターの設置などこそ2020年の東京五輪パラリッを前に検討してもらいたい。

年寄りの苦言ばかり言ったが、東京都予算がこれほど大きく取り上げられ、全国的な話題になったのは、恐らく初めてであろう。「都民ファースト」の視点に立って、事前に関係団体とヒヤリングを行い、政党からの”陳情”を廃止するなどした小池知事のお蔭である。”ポピュリズム”に陥らないよう審議をお願いしたい。