「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

忘れられる震災の追悼と記憶

2017-01-18 06:19:38 | 2012・1・1
東京首都圏に住む、戦前生まれの僕ら世代にとっては「震災」といえば大正12年(1923年)9月1日の関東大震災をさすが、最近の若い人たちは平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災を言うみたいだ。関西地方ではどうなのだろうか。やはり平成5年(1995年)1月17日の大地震の方が強烈な記憶があるのだろ。22年目というう特別な節目な年でもないのに、各地で追悼式と語り継ぎの行事が行われ、マスコミも大きく扱っている。

関東大震災から22年目というと、昭和20年(1945年)の敗戦の年に当たるが、僕の記憶では、当時一面焼け野原の東京では関東大震災は忘れさられていた感じがする。人的被害だけでいえば、10万とはるかに東日本大震災を超す被害を出しているのだが、戦争という人的災害があまりにも大きいため、過去の自然災害どころではなかったのだろう。

反面、記録を調べてみると、関東大震災は発生から6年目の昭和5年(1930年)3月、「帝都復興式典」が盛大に開催されている。わが家にも数年前まで、この式典を伝える写真帳があったが、華やかな花電車が出たり、当時帝都はお祝いに沸いた。関東大震災とは、地震の規模も違い、津波や原発事故もあって比較は難しいが、今年の3月で、東日本大震災から早くも6年が経つ。

新聞報道によると、22年経過して関西淡路大地震の現地では、震災を知らない人が44%もいるそうである。まして94年前の関東大震災の体験者は稀有にすぎない。9月1日は「防災の日」として、国民に災害の恐ろしさを喚起し、防災意識を高めるのに役だっている。関西淡路震災も東日本大震災も、公式な復興式典は行われていないが、やはり、自然災害の恐ろしさを永久に語り継ぐべきである。