「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

バリ島殺人事件 老後を海外での悲劇

2017-09-07 06:32:51 | 2012・1・1
インドネシアの観光地、バリ島の高級住宅の火災跡から、日本人の70歳代、老夫婦の焼死体が発見された。首にきり傷があり、二階の寝室から1階の浴室までひきずった血痕があって、現地の警察は殺人事件として捜査しているようだが、僕の購読している新聞は一向に続報がない。半世紀以上のお付合いの国であり、老人という同じ境遇もあって、僕は現地で発行されている日本語新聞「じゃかるた新聞」で事件の詳細、背景などを読んでみた。

僕は半世紀以上前の1966年以来、2006年までバリ島を9回、訪れたことがあるレピーターだが、最近のバリへは行きたいとは思わない。知人、友人の中にも老後をバリで送ろうと家や土地を買った人もいるが、観光として短期間滞在するにはよいが、永住地としてはどうだろうか。最初に訪れた頃のバリは自然豊かな”神々の島”であり”天国に一番近い国”と思った。そのなかでも、この島には犯罪がないと聞いて感激したものだ。

犯罪に日本人が巻き込まっることなど考えられなかったが、今世紀になってから二度のテロ事件を初め女性観光客殺人など事件、事故が多発している。2006年、最後に1週間バリを訪れた時の感想を僕は小ブログに書いているが、原因は開発による自然と伝統文化の破壊、それに、他島からの住民の出稼ぎによる犯罪の増加である。

「じゃかるた新聞」によると、遺体で発見された二人は10数年、西ジャワで自営業をしていた後、老後をバリ島でと移住されてきた。記事には、二人の住んでいた地域の環境や、日常の生活ぶりが書かれているが、高級住宅地ではあるが、新開地で余り隣近所の付き合いがなく、交際範囲も”日本人社会”を中心にした周辺であったようだ。

バリ島に限らず、老後の海外生活は元気なうちは好いが、病気になった場合は、海外での医療費は高すぎる。結局、”皆保険”の祖国へ帰国する人が多いと聞く。それぞれの人生とはいえ、自分勝手で、老後に無責任な日本人が多くなってきた感じがするが、どうだろうか。