「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

済州島の難民申請のないイエメンからの難民

2018-10-19 05:31:05 | 2012・1・1
韓国のリゾート地、済州島へイエメンからの難民592人が押し掛け、問題になっている(小ブログ7月3日でも紹介)したが、うち339人に対して韓国政府は人道的配慮から、難民申請がないにも関わらず難民として,滞在を許可したという。滞在が許されたのは、妊婦や未成年者だそうだが、残りの253人について、現地からの報道は触れていないが、国外退去を命じたとすれば、家族離反で、果たして人道的配慮といえるだろうか。

済州島は博多から100キロ、対馬から洋上50キロにある観光地である。日本統治時代には大阪との間に定期航路もあり、在日朝鮮人に出身者が多い。この済州島は今、”韓国のハワイ”として国際的にも売り出し中で、ビザなしでも滞在できる。これに目をつけてイエメンから今年になって大挙、マレーシア経由難民が押しかけてきた。

イエメンはアラビア半島の先端にある世界の最貧国で政争が絶えない。僕も半世紀以上前の1962年10月、クーデター後のイエメンを取材したが、現在も2015年から始まった、隣国サウジアラビアが支援するイスラム教のスン二派と商売上関係の深いイランの押すシーア派との間の勢力争いが泥沼の内戦状態になり、難を避けて5万人が難民となって海外に流れている。

洋上とはいえ50キロの指呼の距離の隣国で起きている難民騒ぎである。観光ブームで訪日客が増え、そのまま不法に滞在する外国人も出てきたようである。人出不足から、大幅に外国人労働者を受け入れる法改正の動きがあるが、済州島のイエメン人難民騒ぎは一つの警鐘かも知れない。