「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

対中国ODAは戦後最大級の失敗か?

2018-10-28 05:07:30 | 2012・1・1
中国訪問中、安倍晋三総理は日中友好条約締結40周年記念パーティの席上”中国は世界第二の経済大国に発展した。わが国からのODA(政府開発援助)は歴史的使命を終えた”と述べた。これに関連して産経新聞(10月27日付首都圏版三面)のワシントン駐在の客員特派員、古森義之記者は「対中ODAは戦後最大級の失敗だった」という記事を書いているが、果たしてそうだろうか。

古森記者は1998年,産経新聞の支局長として北京にいた方だが,自分の体験を含めて、あわせて3兆6千億円にのぼる対中ODA援助は、中国では何の認知もされていない。ほとんどの国民が北京国際空港や北京地下鉄2号線、南京母子センターなどが、ODAで建てられたこと知っていない、と書いている。

日本の対中国ODA援助は1979年から始まっているが、1980年代、僕はJICA(国際協力機構)の技術協力の一つである研修事業の仕事をしていたが、当時の北京は、天安門前の大通りを人民服を着た市民が自転車で通行していたように思う。まだ、文革命の失政の余燼が残っていた。78年に友好条約が締結された当時を回顧すれば、戦時賠償を要求しない中国に対する補償としては、僕からみればベストの案に思われるのだが。

中国でのODAのも認知度が低いのは、一つにはJICAを含めて日本側のPR不足があるのではないか。中国に限らず性格、せっかくの友好事業が相手国に伝わっていないのは残念である。日本人の性格なのだろうか。