「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

年内の日ロ平和条約締結「歯舞色丹+アルファ―」

2018-10-20 05:32:34 | 2012・1・1
産経新聞(10月19日付首都圏版5面)の"時の人”から話を聞く「単刀直言」欄に鈴木宗男氏(新党大地代表)が登場していた。鈴木氏はかって北海道開発長官時代、北方領土返還問題をめぐる、いわゆる“ムネオハウス”事件で政治家を失脚した人物である。加齢とともにニュース感覚が鈍くなってきたのか、一瞬なぜ、この時期に鈴木氏なのかわからなかったが、10月19日は62年前、モスクワで当時の鳩山一郎首相とブレジネフ首相が「日ソ共同宣言」に署名した日であった。

のっけから自分事で始まって恐縮だが、昭和31年10月、僕は新聞社に勤務していて社会部から外信部に異動してきた。それだけに「日ソ共同宣言」は前後に起きた世界史を変えた「ハンガリー事件」「スエズ戦争」と共に特に僕の記憶にある。あれから62年経ったのだが、日ソ(ロシア)間の平和条約はいまだに締結されていないし、宣言に盛られた歯舞群島、色丹島の引き渡しはない。

ロシアのプーチン首相は9月ウラジオストックで安倍晋三総理と会ったとき”前提条件なしに年内に平和条約に締結したい”と明言している。安倍首相も何度ともなく”自分たちの世代で問題を解決したい”と述べており、年内にプーチン首相との首脳会談も予定されている。しかし、日本のマスメデイアを僕が見る限り、今年もあと2か月なのに国内の世論は、差し迫ったものとらえていな。

鈴木宗男氏は「単刀直言」のインタービューの中で、問題解決は4島一括返還ではなく、歯舞群島.色丹島の2島の返還と+アルファ―だとの持論を展開している。自分の交渉体験からものだが、安倍総理に対しても、平和条約の早期締結へエールを送っている。おりしもロシアは国後.択捉島水域でミサイル発射を通告してきた。歯舞,色丹ではない。これをプーチンの平和条約の年内解決への意欲を示す注意勧告とみるのは考えすぎだろうか。