「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

関東大震災 自然災害教訓の伝承  犠牲者への慰霊

2019-09-02 04:25:16 | 2012・1・1

「9月1日」というと、僕ら昭和1ケタ生まれ世代は大正12年(1923年)9月1日、東京中心に起きた関東大震災の日が思い浮かぶ。実際に体験したわけではないが、もの心つく頃から、この日が来ると父母をはじめ周囲の大人たちから地震の体験談を耳にしてきた。その関東大震災も発生して96年、実際に地震を体験し記憶にある人はほとんどいなくなった。しかし、「防災の日」として国民の間で定着してきたのは良いことだ。

毎年、最近は8月は戦争を想起する月なっててきた感じで、マスコミ戦争特番が多い。たまたまその一つNHKラジオの深夜便のコーナー「あちこちのスズさん」をきいた。スズさんとは若い人に人気の主人公だそうで、そのスズさんが戦争について感想をのべ合う番組のようであったが、ほとんどが祖父母から聞いた話であった。祖父母とは僕らの世代であり、戦争も伝承の時代になってきた。

関東大震災は伝承の歴史的な出来事になってきたが、たった百年前の惨事なのに現在、隅田区横網町の横網公園が陸軍の被服廠跡で、大地震後発生した強風で火災を避けて逃げ込んだ3万8千人が焼死した慰霊堂が建っていることなどどれだけの都民が知っているだろうか。地震という自然災害が「防災」という形で引き継がれたのは結構だが、犠牲者への「慰霊」が忘れられている気がする。地震発生の午前11時58分から1分間でも黙祷を提唱したい。