ロシア極東のウラジオストックの東方経済フォーラムに参席した安倍晋三総理がロシアのプーチン大統領と首脳会談した。通算27回目、まさにギネスの記録ものだが、大方の予想通り、両国間の平和条約、領土問題については進展は見られず”先送り”となった。
領土問題については1956年の日ソ(露)共同宣言で平和条約締結後は歯舞、色丹を日本側に譲り渡すことがはっきりしている。にも拘わらず、以来60余り年交渉が進展しないのは、問題が複雑化してしまったからだ。しかし、ロシア側は歯舞、色丹の先行返還は十分承知しているはずだ。
それなのに、プーチン大統領の安倍総理との会談を前にとった行動は何か。経済フォーラムの会場から色丹島に自力で完成した水産加工工場の稼働式典にテレビ中継で参加している、日本の常識では考えられない。安倍総理はコケにされたといわれても仕方がない。
産経新聞の社説(主張)は”どうして席についたのか”と安倍総理がプーチンの無礼な行動にも関わらず、会談したのを批判している。進展がなかった首脳会談なのに事務方では、来月、領土での観光事業を推進する話し合いをする。いったいどうなっているのか。27回も会ったこだわりはわからないではないが、総理は狸穴のタヌキに誤魔化されているのでは。