「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”鉾をおさめた”米国の真意 安倍総理の中東訪問

2020-01-09 07:38:03 | 2012・1・1
イランが8日、弾道ミサイル10発以上をイラクのアサド米軍基地など2か所に発射した。米軍によるソレイマニ革命防衛隊司令官殺害に対する報復だが、これに対して米国がさらなる反撃に出るか。トランプ大統領の動向が注目されていたが、大統領はこれまでの強硬な発言から一転、”鉾をおさめ”てきた。とりあえず懸念された中東全面戦争は回避されたようだ。

アサド空軍基地の名前をきいて僕はイラクの隣国シリアに二代に当たって君臨するアサド大統領の名前を思い出した。日本の新聞には報道されなかったが、そのアサド大統領がソレイマニ司令官が殺害されたこの時期にダマスカスでロシアのプーチン大統領の訪問を受け、両国間の軍事協力を話し合っていた。シリアとイラクとは歴史的に初代アサド大統領のアラブ社会党(バース党)を通じて深い関係にある。

東西冷戦の時代から米国はロシア(ソ連)の中東地域へ勢力浸透により気を使ってきたが、シリアに関する限りその存在感は今は米国より強い。あれだけIS内戦に揺れたシリアなのにプーチン大統領はダマスカスのイスラム、キリスト教史跡を見学している。米国のトランプ大統領ではそうはいかない。善意をも支持しているイラクのバグダッドでさえ訪れることはできない。

安倍総理が週末からサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、オマーン三か国を親善訪問するという。いずれも石油を通じてお世話になっている親日国だ。反対ではないが、時期が悪い。利害が絡み合っており、米国が”鉾をおさめた”かといって何が起きるとは限らない。異教徒の日本人には、なかなかイスラム教徒のものの考え方は理解出きない。