「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”題名のない””僕らの65周年結婚記念日

2020-04-13 06:03:27 | 2012・1・1

今日は僕ら老夫婦の65周年節目の結婚記念日である。25年銀婚式、50年金婚式、60年ダイヤモンド式と祝ってきたが、65周年には特に名前はない。あとは75歳プラチナ婚があるだけ。人生百年時代というが、あと10年先のこと、二人そろって元気に祝えるかどうかわからない。

僕らが結婚したのは昭和30年(1955年)4月13日、僕が24歳、妻が22歳の時だ。僕は社会に出てまだ2年目の安サラリーマンで当時としても早婚だった。結婚費用の用意などなく、親がすべて出してくれたのだが、当時としては珍しく東京目黒の結婚式場で挙式、披露宴を行った。昭和30年といえば、敗戦から10年経っていたが、,社会全体はまだ貧しく”神武景気”の前でテレビも洗濯機も冷蔵庫のいわゆる”三種の神器”などない時代であった。

新婚旅行は一泊2日で伊豆の温泉へ出かけた。30年代後半、新婚旅行は宮崎へというブームの時代があったがそれ以前で、海外は渡航自体が禁止されていた。挙式当時、僕は新聞社の社会部記者のの”駆け出し”で”サツまわり”(警察署担当)をしていた。今と違って、新聞の社会面はやたらと事件事故の報道が多く、”さつまわりは多忙を極め新婚旅行から帰った翌日から僕は宿直勤務についた。

銀婚式は転勤先の北海道で祝った。まだ子供たちが社会に出る前だ。金婚式は僕がボランテイア活動でスマトラにいたとき、マラッカ海峡をわたるフェリーの上で二人して祝った。ダイヤモンド式は、2泊3日の台湾への観光旅行を楽しんだ。”題名のない”65年記念日はコロナウィルス騒動の中外出を自粛してささやかにわが家で二人で乾杯しよう。長いようで短角、短いようで長い65年である。健康で二人で祝えるのが最高の幸せかもしれない。