「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          倒れた銅像

2007-10-02 05:23:30 | Weblog
柏崎市に立っていたトルコ”建国の父”ケマル・アタチュルク(初代大
統領)の銅像が地震後、横倒しのまま、ブルーシートで覆われ放置
されている、-と産経新聞が報じていた。銅像は「柏崎トルコ文化村」
(閉園)のオープンのとき、トルコから寄贈されたものだという。現在
は民間の結婚業者が所有しているが、地震後、倒壊の危険がでてき
たため台座からはずされ放置されていた。

戦前の日本人は銅像が好きだった。東京にも皇居前の楠公の銅像や
上野の西郷さんの像のような、万世橋橋駅(廃駅)前の「広瀬中佐、
青松寺の「爆弾三勇士」などがあり、修学旅行の見学コースになって
いたが、戦後、撤去されたり一部が破壊されてしまった。

イラクのサダム・フセイン(前大統領)の銅像が米軍進駐直後、住民
によって引きづり降ろされたテレビ映像は、まだ記憶に新しい。その
後銅像はどうなったのだろうかー。昭和17年2月、日本軍の進駐直後
のシンガポールでも、ラッフルズの像が倒されたが、当時の軍政顧問、
徳川義親のはからいで博物館に運ばれ、破壊から免れた。

数年前、僕はジャカルタの造園博物館の庭に、日本軍が建てた慰霊
碑が、倒されたまま野ざらしになっているの発見、有志の募金と博物
舘の協力で再建した。関係者にとってはイヤなものである。トルコは
親日国として知られている。地震という自然災害があったにしても、な
んとか一日も早い復元を願いたい。



       勉強して下さい TV報道番組

2007-10-01 05:20:35 | Weblog
きのう日曜日、フジ系列の報道番組「報道2001」を見ていたら、日本の
対ミャンマー援助額について誤った数字をテロップで表示していた。ゲス
ト出演の町村信孝官房長官に誤りを指摘されたが、訂正もしなかった。ケ
アレスミステークとは思えない。お粗末のかぎりだ。これだけで番組の信
用を落としてしまう。

誤ったテロップには、わが国の対ミャンマー援助額が2000年から05年ま
での5年間で6,000億円と書かれていた。数字に弱い僕でも誤りに気がつ
いた。町村長官も即座に”そんなに多くはない。ビルマ時代の賠償、経済
協力費をいれての数字ではないか”と、その場をつくろった。

政府のHPによれば、2005年の対ミャンマー援助は無償資金17・17億円、
技術協力16・45億円である。しかも2003年以降は人道、緊急的なもの以
外、ミャンマー援助は一切停止している。番組のキャスターは、この誤った
数字で、わが国のミャンマーへの外交姿勢を長官に問い正そうとしていた
ように、僕にはみえた。

この番組に限らず、TVの報道番組の司会者は”傲慢無礼”である。時に
は政府高官に対する言葉とは思えない失礼な発言もある。恐らく外国で
はあまり例をみない。質問するなら、きちんと正しいデータに基づいて行う
べきである。誤った資料で、予見による質問は失礼きわまりない。
活字媒体は、時には誤りの訂正を小さく出すが、電波媒体はよほどの事
でない限り”たれ流し”してしまうようだ。番組関係者の猛省を!