「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        高齢者の「生涯学習」の低下

2008-07-21 05:27:06 | Weblog
内閣府の調査によると「生涯学習」への国民の関心は深まり,初めて七割の人が
何かやってみたいという回答があった、これは3年前の調査に比べると6・5%も
増加している。大変よい傾向だが、高齢者に限っていうと、減少している。理由は
わからないが、思い当たる筋がないがないでもない。

昨日88歳の友人から電話があった。案の定といっては失礼だが「後期高齢者医
療」と「介護保険」についてである。数日前、彼の住んでいる東京の区役所から、
通知があったが解らない。君のところにもあったかという問合せである。これだけ
世間を騒がせている問題でも彼には理解できなくなっている、。

彼は大學の名誉教授で一人住まい、これまで私学関係の健康保険に加入してい
たようだが、今回「高齢者医療保険」に切り替わったらしい。届いた決定書を見て
彼が怒り驚くのもわかる。7月から毎月3万500円(9月までは納入書で、10月から
は年金から天引き)の高齢者保険と5千円の介護保険を支払えとあるのだ。

彼は私学関係の年金と軍人恩給を受けており、月30万円以上の収入があるが、そ
れから毎月3万5千円天引きされるのは痛い。彼は「生涯教育」の一つとしてやって
いたフランス語の勉強を断念せざるを得ないといっていた。彼と同じように老後の
設計を立てていた老人たちをも「後期高齢者医療保険」は直撃している。生涯学習
をしたくとも出来ない環境にしている。

           夏休み ラジオ体操80年

2008-07-20 05:16:00 | Weblog
東京もやっと梅雨が明け、子供たちの待ちに待った夏休み。僕の住む町内会でも
明日から「ラジオ体操」会が始まる。今年は「ラジオ体操80年」、昭和3年、NHKの電
波にのって”一、二、三”と国民の間に、世界にあまり例をもみない、この体操が始
まって”傘寿”の記念の年だ。

こんな「ラジオ体操」の歌を知っていますかー。
             踊る旭日の光を浴びて 屈(ま)げよ伸ばせよ
             吾等(われら)の腕(かいな)
             ラジオは号ぶ(さけぶ)一、二、三
戦前、夏休みのラジオ大会の会場に流れた歌だ。参加者はみな声高々にこの歌を
合唱したが、もうこれを知っている世代は、後期高齢者か、それに近い年寄りばかり
になってしまった。

戦前、東京の夏休みのラジオ大会は、たいがい学校の校庭であった。「出席」のカー
ドをヒモで首から下げ、カードに(出)の判を押してもらう楽しみは今と変らない。が、大
会終了後のご褒美は、今のように豪華ではなく、鉛筆とかノートといったささやかなも
のだったが、嬉しかった。

戦後、ラジオ体操は戦時色が強いという理由から進駐軍によって中止されたという話
もあるが定かではない。が、中止されていたのは事実で、復活したのは昭和26年の事。
「ラジオ体操」の歌も新しく次ぎのように変った。
             新しい朝がきた 希望の朝だ 喜びに胸を開き
             大空仰ぎ ラジオの声に 健やかな胸を
             この薫る風に開けよ それ、一、二、三
ラジオ体操一つにも歴史があり、想い出があるものだ。

         福田総理と山崎拓議員の言動

2008-07-19 05:45:04 | Weblog
自民党の山崎拓議員(元副総裁)が北京で武大偉・外務次官と会談した模様をテ
レビ(NHK)で放送していた。が、わが家の購読紙は一行も書いていない。一議員と
次官との会談など価値ないとしてネグってしまったのか、それとも”売名家”議員の
またもやの行動として無視したのかは知らない。僕は後者の場合と信じているが、
新聞であるかぎり一行ぐらいは伝えて欲しかった。

さきごろ山崎拓議員は時事通信とのインタービューに答え”北朝鮮へのエネルギー
支援は当然行うべきだ”と語ったそうだ。わが国は拉致問題が進展しないかぎり、6
か国協議で、その見返りのエネルギー支援は行わないのが国策ではなかったのだ
ろうか。

この言動のあった直後の訪中である。そして相手は6カ国会議の武大偉次官である。
多少政治に関心があるものなら、政府の北朝鮮対策はいったいどうなっているのか
不安になる。しかも山崎氏の僚友、加藤紘一・元幹事長も”拉致犠牲者5人は国と国
との約束事、返すべきだった”と「北}のスポークスマンみたいな発言をしている。

僕は前から国民の一人として、素朴な疑問を持っている。山崎、加藤議員らの言動は
福田総理容認のものだろうかー。一方では6か国会議を通じて解決を図る姿勢をみせ
ながら、水面下では交渉が進んでいるのだろうかー。先日頂戴した小ブログのコメント
の中に、福田総理になってから日本の外交はグズグズになったというご意見があった。
もともと 福田総理の考え方は山崎拓、加藤紘一両氏に近いのだろうか。彼らの言動は
総理のお墨つきなのだろうかーこれは国民の素朴な疑問である。

          お母さんたちの喫煙

2008-07-18 05:39:15 | Weblog
母校野球部が3回戦を7回10対0でコールド勝ちし、4回戦へと進んだ。幾つに
なっても母校の勝利はよいものだ。後期高齢者の僕らも勝利を祝って、球場近く
の居酒屋で昼間からささやかな祝杯をあげた。

店の隣の席には、若い女性たち7,8人が集まってワイワイガヤガヤ。どうも会
話の内容から、わが母校の前の試合で惜敗した高校の応援のお母さんたちの
ようだ。僕らの娘と同年齢の30代から40代に見える。明るく元気なのはよいの
だが、数人かがタバコをすっている。親友の一人は心臓病で極端にケムリに
弱い。店を変えようと思ったが、面倒なので耐えることにした。

日本たばこ産業の平成19年の調査によると、成人女性の喫煙率は12・7%で、
年齢別では、一番高いのが30台で18・9%だそうだ。なぜこの年代が高いのか
解らないが、元気な証拠である。かって"タバコは健康なバロメーター”といわれ
た時代もあった。

僕も未成年からすい始め50歳までタバコがやめられなかった。だから、あまり大
きいことはいえないが、やはり”百害あって一利”なしである。早死にした友人知
人はみなヘビースモーカーだった。今でも、タバコが離せない友人もいるが、そう
いう男に限って受動喫煙の害がわかっていない。小ブログはタバコ一箱、千円な
んて姑息のことを言わないで一万円を提案している。多分、一万円になれば、家
計を預かるお母さんのこと、御やめになるのでは!



         まだ解らない「後期高齢者医療」

2008-07-17 05:15:23 | Weblog
平成20年度「後期高齢者医療保険料(賦課)決定通知書」がやっとわが家にも届
いた。一年も半ばも過ぎた今ごろにだ。もうこの問題については文句を言うのは、
やめようとと思っていたが、相も変らぬお役所仕事なので、再びブログにした次第
だ。厚労省関係者は、本当に"老人”が理解できているのだろうかー。

届いた”「後期高齢者医療保健領」のお知らせです”という分厚い封筒には、肝心の
決定通知の他に、役所言葉の難解極まる文書が6枚も入っている。老妻と一緒に目
を通したが、その解釈をめぐって二人の意見が違い、口ゲンカになる始末。10月から
の年金天引きは解る。6月ー9月分の別途納入も解る。4月ー6月分が解らないのだ。

早速、区の後期高齢者係りの直通電話にダイヤルしたが、何度かけてもお話中。仕
方がないので、区の代表電話にかけたら”本日の業務は終わりました。勤務時間は
午後5時15分までです”とつれない録音。後期高齢者医療問題については、すでに4
月の時点で問題がどこにあるのかわかっていたはずだ。通知書が届けば老人からの
問合せが殺到するのは事前に予期されていたことだ。

どうも地方の出先機関は業務が硬直しているように見えてならない。他所との人事交
流がないせいかすべてに”淀んでいる”感じだ。大分県の教育委員会の教員採用をめ
ぐる汚職も"氷山の一角”にすぎない。”井の中の蛙”になっていて外がみえなくなって
いるようだ。



     福田総理 竹島は島根県隠岐の島町です

2008-07-16 05:13:18 | Weblog
外務省の「竹島」のHPには、はっきりと”竹島は歴史的事実に照らしても国際法
上、わが国固有の領土である”と明記してある。にもかかわらず、文科省は中学
社会科の新学習要領解説集の中から当初あった"わが国固有の領土”という文
言を”韓国との関係をギクシャクさせてはいけない”(町村信孝官房長官)理由か
ら削除したという。

竹島は外務省HPのように"わが国固有の領土”であり、"島根県隠岐の島町にあ
る。(小ブログ2006年7月4日参照)外務省HPは"韓国による竹島の占有は国際上
なんら根拠がない不法占拠である”と、これまた明記している。こんなに明白な事実
なのに、関係のギクシャクに気を使って"身を引く”のかわからない。ギクシャクをそ
んなに気遣うなら、李明博政権が窮地のこの時期に問題を提起しなければよい。

またまた福田総理の”事なかれ主義”の現われである。この人の”人の嫌がること
は避ける”という哲学なのだろう。誰でも出来たら人と争いたくはない。しかし、一国
の領土主権にかかわる問題である。

韓国の李明博政権は、いま米国の輸入牛肉問題、北朝鮮による韓国人観光客射殺
事件などで窮地に立っている。その時期に「竹島」問題を持ち出せば、政権にとっては
問題を反日一本に絞れ人気挽回のチャンスだ。福田総理は"冷静に冷静に”といって
いるが、総理こそ"冷静に”問題に対処してもらいたい。外交はいつも身を引いていて
は外交にはならない。馬鹿にされるだけだ。

           "サカナ”されど”サカナ”

2008-07-15 05:49:10 | Weblog
全漁連など全国漁業関係16団体所属の20万隻の漁船がきょう一斉に漁に出ない。
いってみれば、漁師さんのゼネストだ。多分こんなことは、わが国”開闢(かいびゃく
以来のことだろう。ストの理由は、漁船の使用しているA重油が原油高の影響で高
騰し4年前の3倍近くなっていて、これでは出漁すれば損になるばかりだ。だから政
府に税金を安くせよというデモンストレーションのようだ。

先日、60年来の友人とこの問題を話し合った。二人とも戦中戦後のあの食糧難時
代、東京に住んでいたが”カボチャ”の想い出はあっても”サカナ”のそれはないの
である。空腹で、まず腹を一杯にすることが先決だったし、それに”サカナ”など東京
の街にはなかった。戦争で漁師は戦場に行き、重油は軍需品、それに冷凍技術の
関係で、東京へはサカナが送られてこなかったのだろう。

戦後も暫らく食糧難が続き、ラジオでは「配給だより」という時間があったが、なぜか
”スケソウダラ”ばかりであった。駅前の闇市では、見たこともない大振りの"いわし”
が”すいとん”の隣で売っていた。若者が復員してきて、やっと漁に出られるようにな
ったのだと思う。

漁師にとって漁に出られないのは死活問題である。ストが長く続けば国民生活全体
にも影響してくる。が、食糧難時代には都会ではサカナが食えなかった。今は飽食の
時代である。消費者が高級魚を要求し、漁業関係者もこれに答えて遠くの漁場へ行き
すぎるのではないかー。"サカナ"を見直すよい時期かもしれない。

   砂利のグランド 復活高校(中学)野球大会の頃

2008-07-14 05:17:10 | Weblog
東京はまだ梅雨が明けない。が、僕には待望の夏がやってきた。僕にとって毎年、
母校の野球応援が夏の到来を告げる。昨日,32℃を越す猛暑の中、駒沢球場へ
出かけた。61年前の母校のエースで、同期卒業のK君も来た。試合は後期高齢者
の元気な応援の甲斐あって三回戦へと勝ち進んだ。

昭和21年7月、東京都中等学校(高校)野球選手権予選一回戦の試合は、今でも忘
れられない。戦争のため中止されていた大会が復活した年の初めての試合だ。この
年の都大会の参加校は僅か54校にすぎなかった(今年の東京の参加校は東西併せ
て263校)母校の相手は東京高師付属中学で、球場は同校の小石川(文京区)の校
庭であった。校庭は砂利まじりで外野も内野もない。もちろん観客席などなかった。

負け惜しみになるが、当時は学校が戦災にあったかどうかで格差があった。母校は
空襲にあって校舎が全焼した。道具もやっとかき集めてきた状態で、スパイクがなく
運動靴の選手もいた。これに対して高師付属中は全員ユニフォームを着て、ファース
トミットまであった。試合は善戦むなしく10点差がつきコールド負けでであった。高師
付属中は都大会で優勝、全国大会でもベスト4に残った。

まだ食べるものも少なく、ものもない時代であった。一緒に応援したエースのK君の
話では硬球ボールが手に入らず、後楽園の廃棄ボールを貰い受け、家でほころびを
縫って使ったとのこと。孫の世代の元気に白球を追う姿をみて感慨一入であった。


        みっともないぞ 一等陸佐(大佐)殿!

2008-07-13 04:45:53 | Weblog
陸上自衛隊の二人の一等陸佐が新聞の社会面を賑わせていた。一人は東部方面総
監部後方運用課長という長い肩書きを持つ幹部で、深夜路上で女性に痴漢行為を
して警察に捕まった。もう一人の一等陸佐は、出張先の東京で泥酔のうえホテルを間
違え、隣家に侵入、水のないプールに転落、事故死した。みっともない話だ。

一等陸佐といえば昔の軍隊では雲の上のような存在の偉い人。陸軍では数百人の部
下をもつ連隊長。海軍では戦艦や航空母艦の艦長という”一国一城”の主であった。
かりにこんな偉い人が酔った上とはいえ、新聞種になれば、それこそ”切腹”ものだった。

戦前の旧日本軍陸軍、海軍にはそれぞれ軍法に基づいて犯罪者に対しては軍法があ
った。軍規はきびしく世界に冠たるものだといわれていた。陸軍には憲兵、海軍には
特別警察隊という組織があり、裁判(軍法会議)で有罪になれば、営倉、重営倉に入れ
られた。有名な話だが、近衛連隊の将校が戦地で強姦行為で逮捕され一等兵に降格
されている。

今の自衛隊には、軍法会議はない。その訳でもあるまいが、防衛庁・自衛隊関係者の
犯罪がめだつ。背広組トップの防衛省次官までゴルフ三昧の収賄ではしめしがつかな
い。近く防衛省の機構改革が行われ、制服組と背広組との人事交流も行われるそうだ
が、どうだろう軍規粛正のため軍法会議を復活してみては!連隊長が民間人に痴漢行
為などとても考えられないことだ。

         古橋広之進さんの水着

2008-07-12 05:06:18 | Weblog
北京五輪を前に”高進水着”、レーザー・レーサー(LR)を開発した英国スピー
ド社が、今度は”高速”キャップ”を考案し昨日、東京でその発表会があった。
この水泳帽をかぶると頭部の水際抵抗を抑え、泳ぐスピードが上がるのだとい
う。記録更新は一に水着や防止にかかってきたのだろうか。

競泳を取り囲む”環境”も変ってきたものだ。産経新聞によると、59年まえの昭
和24年”世界のトビウオ”こと古橋広之進さんが全米選手権で400,800,1500㍍
自由形選手権でたて続けに世界記録を樹立した水着がロサンゼルスの記念館
に保存されているそうだ。古橋さんの話では、この水着はスフ(ステープル・ファ
イバー)の薄い黒色のパンツにすぎないという。

古橋さんと同じ頃、僕も関東インター・カレッジ(大學選手権)二部で泳いでいるが
多分同じスフの水着だったと思う。泳いだあとは水を含み重かった。もののまだ、
少ない時代で選択肢はなかった。当時の選手は帽子はかぶらなかった。かぶる
とかえって邪魔になるぐらいに思っていた。その頃、僕は二子玉川にあったプー
ルで衣類を預かるアルバイトをしていた(ロッカーなどなかった)が、お客の中には
まだ六尺フンドシで泳いでいた人もいた。

レーザー・レーサーを着用して北島浩介選手も先日世界記録をたてた。新しく考案
された”高速キャップ”をかぶれば記録はさらに伸びるのだろうかー。あの時代”高
速水着”や”高速帽子”があったらと、古橋さんも苦笑いしているかも。