★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

一発屋

2021年01月27日 12時04分52秒 | 徒然(つれづれ)
 一発屋といえば、芸人やミュージシャンがすぐに思い浮かぶ。
 もはや芸能界用語といっても過言ではないだろう。
 テレビ業界もネタに困って、一発屋芸人やミュージシャンを集めた番組もある。

 芸能界を目指すということは、売れたい、有名になりたい、という自己顕示欲からくる願望のゆえだろう。
 とりあえずは、一発当てたい、というところから苦労が始まる。
 運よく、一発当てても、それ以降が続かないのが芸能界あるあるだ。
 二匹目のドジョウはそう簡単には手に入らないのが世の常だ。

 しかし、よく考えると、一発当てるということは、当初の売れたい、有名になりたい、という願望が一応叶えられたということになる。
 そこへ辿り着きたくても、夢半ばで消えていく、いわゆる不発屋のほうが圧倒的に多いはずだ。

 一発屋、上等じゃないか。
 その一発で稼いだ金を温存して、細々でも余生を過ごせたらいいじゃないか。
 それを短期間で散財するから、一発屋という負のイメージが定着するのだ。
 
 曲がりなりにも当初の夢をかなえたのだから、そこは自身の才能を客観的に見極め、早々に見切りをつけて、正業に転職する手もありだ。
 昔の栄光にしがみつくのではなく、それを懐かしみながら、会社の同僚と酒を飲んでもいいじゃないか。

 一発屋でも、それなりに芸能史の片隅には残るはずだ。
 たまに、あの人は今的な番組に出演依頼が来るかもしれない。

 それでいいじゃないか。
  

狙いは読後感。読めばわかる、あるいは読んでもわからないかもしれないが、なんとなく心の片隅に残る奇妙な違和感。ありきたりで普通を装った妙な安心感。 そんな小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
 読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする