昨日の講演でも少し触れましたが
「愛着障害」が問題視されています。
昨日、行橋から博多駅に戻ってくる時にも
博多駅で、ベビーカーに乗せた赤ちゃんが泣き叫んでいました。
お母さんは、慌ててベビーカーを激しく揺すってました。
そんな時は、ベビーカーから抱き上げて、赤ちゃんを抱きしめて欲しいのです。
縦揺れ、横揺れ
赤ちゃんが落ち着く動きがあります。
「もおー」
「はいはいはいはい。」
なんで!うちの子はお利口にできないのかしら⁈
お母さんの心の声が聞こえてきそうです。
子どもが泣き叫ぶ時は、
子どもが不安、心細さ、怖さを感じて
お母さんを求めて泣いている時です。
抱っこしてあげてください。
怖い時守ってもらえるほど安心する事はありません。
この安心感が愛着形成へとつながります。
愛着は醸成されるものです。
愛着は1日にしてならず!
一度、このブログでご紹介しましたが
「愛着障害」の本を書かれた岡田尊司先生が「死に至る病」を書かれています。
1部抜粋してご紹介します。
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共通する原因は何か
ここまで、かつては極めて珍しい状態だったのに、ここ数十年で急増し、医療機関はもとより、一般の家庭や学校でも出会うことが珍しくなくなった障害として、「境界性パーソナリティ障害」「摂食障害」「子どもの気分障害」「ADHD」について見てきた。
これらは、戦前には非常に稀なものだったのが、
1960年代ごろから徐々に増え始め、その後、爆発的な増加に至っている。
それは単なる偶然の現象なのか。それとも、何か共通する要因が絡んでいるのか。
実は、「境界性パーソナリティー障害」「摂食障害」「子どもの気分障害」「ADHD」は、不安定な愛着との関連が強いだけでなく、幼い頃に母親とのあいだで不安定な愛着を示した子で、発症リスクが大きく高まることが裏付けられているものばかりである。
例えば、摂食障害のケースで、典型的に認められる状況は、支配的で、過保護、過干渉な母親と、腰の引けた無関心な父親の間に育っていると言うことだ。
母親は子どものことを思っているつもりなのだが、実際には、自分の基準を子どもに押し付けている。共感的な関わりが苦手で、子どもに対して指導するか、避難するかと言う関わり方しかできないということが多い。
子どもが境界性パーソナリティ障害の母親にも、同じ傾向が見られる。
境界性パーソナリティ障害や摂食障害、気分障害、依存症、解離性障害等については、以前から、不安定な愛着の関与が指摘されてきた。
それに対してADHDは遺伝的要因の強い神経発達障害とされ、養育要因など全く関係がないと、専門家たちも言い続けてきた。
ところが、遺伝子について調べ尽くされるにつれて、遺伝子の関与だけでは、到底説明がつかないということがはっきりし、近年では遺伝子要因と環境要因との相互作用による部分がかなり大きいと考えられるようになっている。
中でも養育環境の影響を受けることがわかってきたのだ。
例えば、施設に保護された子どもでは、ADHDと診断される子どもの割合が、通常の何倍にもなる。
虐待を受けた子どもでは、ADHDの発症リスクが大幅に高まるのだ。
この事実に対しては、ADHDだから虐待を受けやすいのだとか、親もADHDの傾向を持っているので、虐待が生じやすいのだと説明され、虐待によってADHDになるわけではないと、専門家たちも言い続けてきた。
だが、実際には違っていた。
虐待は、脳の構造自体に異変を起こし、不注意や多動を含む様々な行動や精神の症状を生じ得るということが明白になっている。
さらに幼い頃に養子になることで養育者が交代しただけで、ADHDのリスクが数倍に高まるということもわかってきた。
ことに、虐待のケースに見られやすい「無秩序型」と呼ばれる非常に不安定な愛着を示す場合、その後、ADHD症状が見られるリスクを大幅に高めていた。
しかも、親との愛着の安定性は、その子の神経機能障害の指標である認知機能よりも、ADHD症状を左右したのである。
それ以外にも、不安定な愛着がリスクファクターとなるものとして依存症(薬物、ギャンブル、セックス、インターネットなど)、希死念慮、解離性障害、原因不明の身体疾患、慢性疼痛、虐待、DV、いじめ、離婚、非婚、セックスレスなどが挙げられる。
いずれも、今日の社会において問題となっていることばかりだ。
このように、現代人の生きづらさと苦悩の根底に、愛着の問題が関わっているということが明らかとなってきているのである。
「死に至る病」岡田尊司著
光文社新書より抜粋
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抱き癖がつくなんて嘘です。
確かに、泣いてもないのに抱っこするのは、抱っこのし過ぎ。
でよ、赤ちゃんが泣いたら
抱っこしてあげてください。
求めたら、応える…
どうせ、100%完璧には答えられないのだから、
できるだけがんばって。