木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

京都木工フェスティバル

2010-04-13 22:10:34 | 木工
漆展が終わり、次はこれ

京都木工フェスティバル


4月24日(土)25日(日)の2日間、みやこメッセ地下の特別展示場で開かれます。
この催しは、木芸舎を主宰されている今野祥山さんと刃物研磨のヨシダさんが中心になって企画され、
京都の木工家や木工関連企業に呼びかけて開催されるものです。
私にも声をかけていただき、1ブースを出品させていただきます。

あと10日後と迫りながら、まだ作品が・・・・


展示予定の栃のテーブル。やっと捨て刷りの研ぎに取りかかったところです。


天板の表を研ぎ終わりましたが、このペースでは・・・


脚や貫の研ぎからは、サンダーを使ってスピードアップ。


サンダーだけではムラになりやすいので、必ず手で研いでムラを取ります。


研ぎ上がったら漆を塗り、風呂で乾かします。


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漆展が終わりました

2010-04-12 22:45:21 | 
漆展も最終日


午前中、第1会場の「こっとう寛草庵」さんの展示を見てきました。


豊島さんがご自分でなや、しくろめからくろめ返しをされた漆を塗られた作品の数々。


作られた作品や修理をされた作品

こちらの会場では、毎日奥様の漆についてのお話と列品開設があり、連日たくさんの方がお見えになり会場は超満員でした。

漆展の初日 お二人の共著「漆塗り ~その美しさと実用と科学~」

が出版されました。今回の漆展はその出版を記念して開かれたのです。
この本は、まさにお二人の「美を追求する感性と科学的探求心」の結晶とも言えるものです。
これまでやってこられた漆についての研究をもとにした塗りについてのすべてが書かれています。
本のお問い合わせは「木耳社」さんまでお願いします。


さて、私はこの4日間の第2会場でのお手伝いを通じ、教えていただいたこことを思い返し、学び直し、深める機会にもなりました。
連日、お二人の偉業に是非触れたいと、遠くからもこられた大勢の皆さんから、いろいろなお話をお聞きできたことも大変勉強になり、充実した4日間でした。

また、会場の「こっとうギャラリー婆佐羅」さんには大変お世話になった上に古い漆器や陶磁器についていろいろ教えていただき本当に楽しい4日間でもありました。ありがとうございました。


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漆展 2日目

2010-04-10 22:12:05 | 
漆展2日目
第2会場の様子を紹介します。


展示スペースは「京町家こっとうギャラリー婆佐羅」さんの奥の部屋


こちらは豊島さんの漆と塗りの研究の成果の展示


漆の手ぐろめおよびくろめ返しについての研究


それを用いた塗りや、色合わせや蒔絵練習をされた時の手板等の展示


開発された、温湿度調節小型漆風呂や、湿度調整のできる簡易漆風呂の展示


漆器に陶磁器をあしらって奥様がコーディネートされたもの


お花見に用いたお重と酒器
ぐい呑みと小皿は豊島さんが漆を塗って作られたものです。

今日も近畿各地や、遠く東京や四国からたくさんの方がお見えになり、豊島さんの研究についての展示をご覧いただくと共に、いろいろなお話を聞かせていただきました。
第1会場での豊島さんの奥様のお話の中で、私を「後継者」と話していただいたのをお聞きになった方からは、励ましのお言葉もいただき、身の引き締まる思いがしました。
ありがとうございました。



会場の「京町家こっとうギャラリー婆佐羅」さん

町家をそのまま使われている店内には、漆器をはじめとして、古伊万里、ガラスなどが所狭しと並べられています。


漆器や古伊万里・・・などというとちょっと手が出ないのではと思っていましたが、さにあらず


感じの良い古伊万里の皿や向付が驚くような価格で販売されているのです。
お客様にお茶やコーヒーを出してくださるのですが、その古伊万里がまたすばらしい。
そして、気さくなご主人の堀内さんの骨董に詳しいこと詳しいこと・・・
お客様がお見えにならない合間には、骨董の見方ややきものの歴史などいろいろ教えていただいています。
楽しい時間があっという間に過ぎていきます。
漆や漆器、骨董に興味のある方は是非おいでください。

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漆展始まる

2010-04-09 23:41:32 | 


漆展が始まりました。


こちらは第2会場の「こっとうギャラリー婆娑羅」さん


開場と同時にたくさんの方がお見えになりました。
豊島さんの漆と塗りの研究の資料や、奥様による漆器に陶磁器をあしらったコーディネートなど、皆様熱心にご覧になっておられました。
また、いろいろなお話を伺うことができ、大変勉強になりました。

そして、会場は何れも骨董屋さん。
並べられている漆器や古伊万里などの陶磁器、ガラス器等をご覧になる楽しみもあります。
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五稜箸 削り出し

2010-04-08 20:22:38 | 木工
4月24日からの作品展(詳しくは後日)にむけ、五稜箸を10膳ほど作りました。


箸の先の仕上げの鉋削り。
「箸の先が折れた」という声を聞きましたので、少し先の形状を変えてみました。


2本ずつペアーで同じ形状、太さになるよう、確かめながら削ります。


今回はこんな形状にし、箸先の腰を強くしてみました。


前回より、1膳の杢を合わせて制作していますが、頭を削ると、かいた文字が消えてしまうので輪ゴムでペアにして作業を進めます。


頭削り。ここだけはサンダーで削ります。
研削力が強いので、気をつけないと箸がすぐに小さくなってしまいます。


五稜箸の頭の形ができました。拭き漆段階でも、この稜線を崩さないように研ぎます。


削り終わったら捨て摺りです。できるだけたっぷりしみ込ませます。漆は新潟産の生漆です。


合鹿椀の捨摺りも一緒にしました。


捨て摺り完了。漆風呂で乾かします。

午後から明日から始まる漆展の搬入のお手伝いに行って来ました。

漆に興味のある方、骨董に興味のある方は是非おいでください。
第2会場の婆娑羅さんでお手伝いしております。
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桜満開

2010-04-07 22:29:32 | 木工
昨日の暖かさで、いつもは一足遅いここ炭山の桜も満開になりました。


工房の裏からお隣の桜を眺めていると


ヒヨドリがやってきました。


カメラを向けても逃げる様子もなく、花の蜜を夢中で吸っているようでした。
昨日とはうって変わって寒くなったので、花も長持してくれそうです。

しばらく桜を楽しんで仕事再開

テーブルの捨て摺り。はじめにほぞとほぞ穴をマスキングテープと発泡スチロールで養生しました。


捨て摺りは、天板の裏面から


そして、各部材


最後に天板をひっくり返して表面に漆を塗りました。


良く漆を吸い、真っ黒になりました。使った生漆は約250gです。
漆展の期間をはさみ5日ほど乾かしてから研ぎにかかります。

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テーブル木地完成

2010-04-06 22:44:01 | 木工
午前中、元の職場に寄せていただきました。肘掛け椅子を注文いただいたMさんと、Aさんにお会いするためです。
久しぶりに他の先生方にもお会いし、お忙しい中でしたがいろいろお話も聞かせていただきました。
新年度を迎え、慌ただしさの中にも新しい雰囲気を感じました。
Mさん、Aさんありがとうございました。


校庭の桜はちょうど満開で、もうじき入学する新入生を歓迎しているかのようでした。
また新しい1年が始まりますね。

午後からは工房に戻り、テーブルの続き


まず、蟻桟を仕上げ、


天板の木端を削りました。
ここにも少し丸みを持たせました。


木口。この高さまでは立てて削ることができます。
表に近い部分と裏に近い部分で曲率を変えています。


裏と表をもう一度軽く削り


最後に天板の表の縁の面取りをしました。
ここは2段に面取りをしています。線のシャープさを残しつつ、肘を載せた時の当たりをやわらかくするために考えたことなのですが・・・。


各ほぞは都度確認しているのですが、部材加工がすべて終わったところで、念のために仮組みしてみました。


蟻桟がちょっと固すぎたので調整して、OKです。もう一度ばらして漆の作業にかかります。
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胴張り削り

2010-04-05 22:11:02 | 木工
テーブルの部材、鉋で仕上げ削り。この作業が制作で一番楽しい工程です。
仕上がった部材に合わせて大入れの加工もしていきます。


貫の鉋がけ。この鉋、天板の鉋削りにも使った、寸六の貞秀、長台。
実はこれ、最近オークションで1万円ほどで落札したものです。良く切れます。


貫のこちらの面は例によって胴張りに仕上げました。


貫の脚へのほぞは大入れにします。
その粗彫りに使うトリマー。最近古道具屋で手に入れました。
リョービのトリマーには集塵のための部品が別売りで用意されています。
その部品の底にアクリル板を切って取り付けました。これで集塵がバッチリ。
このトリマー、音も静かで重さも軽くソフトスタート。長年使ったマキタのトリマーの出番が無くなりそうです。


脚は四面とも胴張りに削ります。これもいつもの通り。
まず、平小がんなで、落としすぎに注意しながら端を少し斜めに削ります。


次に極浅の内丸鉋で荒削り。


最後に更に極浅の内円鉋で仕上げ、面をとります。


脚と貫の部材が仕上がりました。あとは摺り桟と天板の木端・木口の仕上げです。

胴張りに仕上げるのは直線で構成される作品の固さを少しでもやわらげたいと思うからです。
どのくらいの丸さにするかは部材の太さに合わせてその時の感覚で削りますので特に決めていません。
鉋のR(丸さ)に合わせているわけでもありません。
したがって、比較すれば部材ごとに、いや面ごとに微妙な違いがあると思います。
それが味になってくれる・・・というのは嘘で、単に性格がおおざっぱなだけなのですが・・・。
でもルーターなどで画一なRにしてしまったらつまらないですね。
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計画変更

2010-04-04 22:25:13 | 木工
座卓の制作にかかっていましたが、低めのテーブルと椅子に変更してほしいと言って見えられましたので、計画変更です。


蟻桟は座卓の脚に合わせて幅を広くしていましたが、そのまま使うことにしました。
ルーターで粗彫り。


送り蟻の加工


かなりきつめに調整しています。


計画変更に伴い、脚は木取りし直しました。


部材の仕口の機械加工が完了。
部材の仕上げ削りをしながら大入れの加工やほぞの調整をしていきます。




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肘掛け椅子 完成

2010-04-02 21:34:53 | 木工
肘掛け椅子 最後の組立です。
拭き漆の前に仮組みはしているものの、肘掛け椅子の拭き漆仕上げは初めて。
もちろん部材の修正はできません。うまく収まってくれるか緊張の一瞬です。


まず、ほぞ穴に埋めておいた発泡スチロールやほぞに巻いたマスキングテープを取ります。
きれいな木地が現れます。


ほぞ穴に発泡スチロールを詰めたのは初めてですが、外すのも簡単に外せます。


組立は前脚と座板、肘掛け、後ろ脚の順に組んでいきます。


脚と座板を組んだ後、背束(縦桟)を座板に立て、最後に笠木をかぶせて完成です。
ハタガネで締めることができませんので、きつめのほぞをゴムハンマーで叩いてはめます。
接着剤は迷いましたが、エポキシでは粘度が高すぎるので木工ボンドを使いました。


予定通り収まってくれました。ホッと一安心です。
Mさん、お待たせしました。近日中にご実家の方にお送りいたします。



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