木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

お盆

2010-08-16 23:07:38 | その他
「お盆」といっても今制作中の「盆」ではありません。
例年「お盆」は信州で過ごすのですが、今年は初めて京都で過ごしました。
先日は、「藪入り」の妻と一緒に滋賀県の日野へ。


お墓に参った後、ちょっと足をのばし、西明寺へ行って来ました。


日野町屈指の名刹と言われる西明寺。正しくは大慈山西明禅寺という臨済宗永源寺派のお寺です。
本堂(観音堂)には、秘仏の本尊十一面観音立像が安置されているそうです。


境内はこぢんまりしていますが、落ち着いたたたずまいを見せていました。


また、ここは蓮台野の石仏群が安置されていることでも有名です。

そして送り盆の今日は、妻と大文字の送り火を見に行ってきました。

実は小生、35年以上京都に住みながら、大文字の送り火を見るのは初めてなのです。
どこへ行って良いかわからないので人の流れに沿って出町橋まで到着するとちょうど点火。
夜空に浮かぶ「大」の文字は幻想的で、何とも言えない情緒がありました。
デジカメに収めましたが、200mm望遠の手持ちでは、これが限界。


いつも田舎では、迎え火、送り火に麦わらを焚くのですが、今年はこの送り火を見ることで換えさせてもらいました。
火が消えるまで眺めていました。


駅まで戻る途中。木の陰に舟形、河合橋からは妙法の法も見ることができました。

あっという間の出来事だったような感じがしますが、良いひとときを過ごすことができました。
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盆の制作

2010-08-14 20:51:54 | 木工

煎茶盆の玉縁、全体のバランスを見ながら幅や高さを決めていきます。


玉縁の内側を丸く削るため古い坊主面取鉋を少し改造しました。隅の細かい部分は刳り小刀で削ります。


煎茶盆、一文字盆の木地が完成。


次の盆の粗彫りのため、ルーターの平面拡張プレート?を作り直しました。
厚めの桜材を使ったので、ルターの取り付け部は少し掘り下げました。


表には、テンプレートガイドを取り付けます。


テンプレートは6mmのMDF板を糸鋸で切り抜き、枠を接着しました。


この下書きに合わせてテンプレートを作りました。材は栗。栗の刳り盆です。
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仕事再開

2010-08-12 23:21:50 | 木工
「夏休み」が終わり、再開した仕事は、久しぶりの刳り物から。
煎茶の師範であるUさんより依頼の煎茶盆と一文字盆。
玉縁のついた盆は、1から手で彫るととても時間がかかりそうなので、粗彫りはルーターでする事にしました。


一文字盆のテンプレート。使うビットとテンプレートガイドの寸法に合わせて、表を彫るために3枚、裏透きのために1枚作りました。


4枚の位置を正確に合わせるため、テンプレートに枠を接着し、材料を枠にはめて使います。
作業台の向に見えるのが、煎茶盆用のテンプレート。


コーナーの匙面を糸鋸で切り、表の粗彫り完了。粗彫りの様子の写真を撮るのを忘れてしまいました。


盆の底や縁は鑿や小鉋で仕上げます。


こちらは裏透きの仕上げ。


ルーターで削れない、隅の匙面は鑿で削り、


刳り小刀で仕上げます。


玉縁の仕上げを残して木地がほぼ完成。
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夏休み その3

2010-08-11 22:53:26 | 故郷信州にて


実家に戻り、墓参りを済ませ、母に会いにグループホームへ。
90歳を越え、私と自分の弟との区別もはっきりしなくなっていますが、元気で穏やかな毎日を過ごしていてくれる事が何よりです。
この日は、ホームの納涼夏祭り。ちょっと早い夕食の後、祭りへの家族の参加は妻にお願いし、私は大学時代のサークルの同窓会へ。

数年前から始まった同窓会、昨年から、ここAさんの別荘「臼田荘」で夏に実施しています。
偶然にも、そこは私の実家の隣町。母のお世話になっているグループホームのすぐ近くなのです。

今年はやや少なかったのですが、東京、埼玉、静岡、愛知、京都から7名が集まりました。
大学に入学して今年で40年。こうして集うと40年の年月の流れが嘘のようです。
古き良き仲間と夜遅くまで語り合いました。


翌日は、みんなで臼田宇宙空間観測所へ。
直径64mの巨大パラボラアンテナを下から眺めると、その迫力に圧倒されます。
最近、7年ぶりに地球に帰還した「はやぶさ」との連絡にもこのパラボラアンテナが使われていたのです。


展示棟の内部。


「はやぶさ」やイトカワに関する展示もあり、詳しく学ぶことができます。


アンテナの回りには、太陽から木星までの天体の模型が55億分の1に縮小して展示されていました。
数年前、理科の授業で生徒と太陽系の模型を作った事が、とても懐かしく思い出されました。

昼食後、友と別れ、実家に戻り、夜帰京しました。


この旅では、もう一カ所、今年隣町に開館した、川村吾蔵記念館にも行って来ました。
主にアメリカで活躍した彫刻家ですが、川村吾蔵の名はこの記念館ができるまで知りませんでした。


夏休み、わずか4日間でしたが、故郷信州の山々を眺め、歴史や人の営み・偉大な足跡に触れ、さらに母の元気な顔を見て、懐かしい友とも語り合った、実に密度の濃い旅でした。


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夏休み その2

2010-08-10 22:35:57 | 故郷信州にて


今回の帰省の途中で是非寄りたかったところが山梨県北杜市にある、ここ浅川伯教・巧兄弟資料館です。
李朝家具についてのTV番組で浅川巧を知り、高麗美術館の企画展で伯教・巧兄弟出身地がここであることを知りました。


館内には、兄弟の足跡や


巧の植えたチョウセンマツの実物、


伯教の書画などが展示され、とても興味深く見学できました。
                    <館内の写真は、申請し許可を得て撮影・掲載しています。>

日本が朝鮮の国土を踏みにじった時代の中にあって、朝鮮の陶磁器や工芸品に美を見いだした兄弟。
それは、侵略者としてでなく、朝鮮の自然や文化に深い愛情を持ち、朝鮮の人々と共に生活する中でなされたことでした。
あの時代に朝鮮語を話し、朝鮮の人と暮らしになじんで生きた巧の生き様には本当に感動します。
そして、浅川巧は「工芸品の本当の美しさは完成した時にあるのではなく、使われていく中でこそ仕上げられていく。」と指摘しています。
今後制作を進める中で、常に思い出し、噛み締めていきたいことばです。
いつの日か、浅川巧の集めた朝鮮の家具や工芸品を見に韓国へ行きたいという思いを改めて強くしました。


記念館を出て、浅川兄弟の生誕の地に行ってみました。
この記念碑は、生家のあった土地の少し北に建てられていました。

いま、兄弟を描いた小説「白磁の人」の映画化が進められています。
完成は予定より遅れ、来年になるとのことでしたが、今から完成がとても楽しみです。

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夏休み その1

2010-08-09 22:37:31 | 故郷信州にて
帰省を兼ねて信州への旅に
1日目は、車山~白樺湖へ 


何度も来ているところですが、この開放感と爽やかさは何度来ても良いですね。
学生時代は、夏休み帰省すると毎年、八ヶ岳へ登ったり、バイクでこのあたりを走ったりしていました。


爽やかな天気でしたが、八ヶ岳は雲の中でした。


この日は白樺湖に宿を取りました。宿は、湖畔のペンション・リトルグリーブ
息子の学校の同窓会誌で知りましたが、白樺湖畔の中でも静かな、大変よい立地条件に立っています。


落ち着いたたたずまいの宿の目の前には静かな白樺湖。
湖を眺めながらのオーナー自慢のコース料理もまた格別でした。
オーナー夫妻の指導による、カヌー教室も開かれているのですが、今回は時間がなく断念しました。
次の機会には是非。


翌朝は、朝食の前に湖畔を散歩。久しぶりにのんびりしたひとときでした。
秋の紅葉の頃にも是非訪れたいと思います。お世話になりました。

白樺湖を後にして、次は尖石遺跡に寄って見ました。
ここに初めて来たのは中学校時代。

この尖石の印象だけが残っています。


遺跡の中に立てられた、尖石縄文考古館には、周辺の遺跡で発掘された縄文時代早期から晩期を中心とした土器や土偶、石器などがたくさん展示され、時代による変化や当時の生活の様子など、大変興味深く見学できます。


中でも、この「仮面の女神」と名付けられた土偶や、国宝の「縄文のビーナス」の大らかな美しさにはとても心惹かれました。
土器の装飾もですが、縄文人の美意識の高さに、ただただ驚くばかりです。 
                           <館内の写真は許可を得て撮影しています。>
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捨摺り

2010-08-04 20:50:57 | 木工

五稜箸とスピーカーボックスの捨摺り


つなぎ箸は、まずつなぎの部分の木口に漆を吸わせてしっかり固めます。
その上で全体の捨摺りに取りかかります。


スピーカーボックスもしっかり漆を吸わせました。温度と湿度が高いので、乾きが速く、黒くなりました。
材による音の違い、漆を塗る事による音の変化など大変興味のあることですが、今回はその時間がありません。


しっかり吸わせた漆が完全にかわくまでの間、お盆作りに取りかかりました。
久しぶりの刳り物、ちょっと楽しみですね。
形、大きさを指定して注文をいただいたものもありますが、どんな大きさで、どんなデザインにするのかを考えるのもまた楽し。
いろんな材をさがしてみました。
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携帯用五稜箸 鉋削り

2010-08-01 22:41:23 | 木工


拭漆仕上げのスピーカーボックス。面取りをして木地が完成。


裏側。穴はターミナルの取り付け用です。

次は、携帯用五稜箸の鉋削り。

まず、断面が四角のまま、先を細く削ります。


ジョイント金具の芯を確認しながら、五角形に削っていきます。


治具を使って五角形に削り終わりましたが・・・


一部、ジョイント金具の位置が中心からずれてしまいました。
五稜箸削りの治具では、はじめの四角の材の1面をそのまま五角形の一面に使って削っていくので、いままでと同じように削ったのではこうなってしまいます。
実用上は差し支えはないのですが・・・。まだまだ課題が残ります。


一緒に拭漆をするため、通常の五稜箸も10膳ほど削りました。


こちらの削りがとても簡単に感じました。
明日はスピーカボックスと一緒に捨て摺りです。

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