アイスロス シールインVライナー 使用報告
2014年8月22日より27日までアイスロスVライナーを試行的に使用した。
主に現在使用中のアイスロスX5ライナーとの比較になるが、使用報告を行う。
使用被験者 10歳両大腿義足女児 両膝離断(右足断端形状が三角錐型)
使用条件 ソケット更新直後。仕上がりとして左足ソケットはぴったり。右足は断端末から先端1/3程度は余裕がある状況。
使用したのは以下の時間。
22日 昼間3時間
23日 朝からお昼まで(途中1時間ほど休憩有)
24日~27日 朝7時ごろから夜9時ごろまで終日
メリット
<左足>
ライナーサイズが右足よりもピッタリであったこともあるのか、断端形状が通常の膝離断の形状に近いこともあるのか、シールインVでは何の問題も出ず。一日中はいた後の皮膚の状況はむしろX5よりもよい印象をうけた。
デメリット
<右足>
今回は義足を作成したその日に使用したこともあり、ライナーサイズがかなり大きめであったこともあるが、X5ではほぼ荷重5本の突起部で支えているように思われるのに対して、シールインVでは断端末にかなりの荷重がかかっていたと思われる。(実際に1日中履いた4日のうち2日は皮膚トラブルが発生。)(特に娘の場合には、右足がひざのお皿が始めから欠損していて膝離断した形状が三角錘上のためシールインVでは懸垂し切れなかったとも考えられる。実際X5のほうが懸垂するための突起部が広範囲であり、突起部が硬いため、断端とライナーの形状に差があって空間があるような場合には有利と思われる。)
また、汗をかくとシールインVの突起部の遊動性によって、ソケット内で若干断端が上下に動いてしまう現象が見受けられた。
総論
X5では一日中使用していると5本の突起部に赤い線上の圧迫痕が残るが、それがない。
逆にいうと、X5よりも突起部の懸垂する力が弱いとも思われる。
使用する場合には、X5の場合には少し大きめのサイズを選択して使用するうちに断端あってくるサイズを選択するが、シールインVの場合には、始めからぴったりのサイズを選択しておき、きつくなってきたときに突起部の誘導性が効果を発揮してくるということではないかと推測された。
そうしたことも踏まえつつ、使用する義肢装具士が双方の特性やサイズ選択方法などを理解して、きちんと使い分けることができれば、同じソケットを長い間使用することができるかもしれない。
つまり、作り始めでゆとりがあるソケットのときはX5を使い、ソケットがきつくなってきたらシールインVをつかうという具合であろう。
現在はサイズ展開が2センチごとにしかないため、もう少し細かいサイズ設定があるとよい。また、18センチ未満のサイズも、肌へのあたりがソフトで有ることから、アルファスピリットライナーの代替選択肢になりうると思われるため、0.5cmごと14cmからのサイズ対応を希望する。
あくまでも推論ではあるが、使用した娘を継続して観察した感想である。
以上。





2014年8月22日より27日までアイスロスVライナーを試行的に使用した。
主に現在使用中のアイスロスX5ライナーとの比較になるが、使用報告を行う。
使用被験者 10歳両大腿義足女児 両膝離断(右足断端形状が三角錐型)
使用条件 ソケット更新直後。仕上がりとして左足ソケットはぴったり。右足は断端末から先端1/3程度は余裕がある状況。
使用したのは以下の時間。
22日 昼間3時間
23日 朝からお昼まで(途中1時間ほど休憩有)
24日~27日 朝7時ごろから夜9時ごろまで終日
メリット
<左足>
ライナーサイズが右足よりもピッタリであったこともあるのか、断端形状が通常の膝離断の形状に近いこともあるのか、シールインVでは何の問題も出ず。一日中はいた後の皮膚の状況はむしろX5よりもよい印象をうけた。
デメリット
<右足>
今回は義足を作成したその日に使用したこともあり、ライナーサイズがかなり大きめであったこともあるが、X5ではほぼ荷重5本の突起部で支えているように思われるのに対して、シールインVでは断端末にかなりの荷重がかかっていたと思われる。(実際に1日中履いた4日のうち2日は皮膚トラブルが発生。)(特に娘の場合には、右足がひざのお皿が始めから欠損していて膝離断した形状が三角錘上のためシールインVでは懸垂し切れなかったとも考えられる。実際X5のほうが懸垂するための突起部が広範囲であり、突起部が硬いため、断端とライナーの形状に差があって空間があるような場合には有利と思われる。)
また、汗をかくとシールインVの突起部の遊動性によって、ソケット内で若干断端が上下に動いてしまう現象が見受けられた。
総論
X5では一日中使用していると5本の突起部に赤い線上の圧迫痕が残るが、それがない。
逆にいうと、X5よりも突起部の懸垂する力が弱いとも思われる。
使用する場合には、X5の場合には少し大きめのサイズを選択して使用するうちに断端あってくるサイズを選択するが、シールインVの場合には、始めからぴったりのサイズを選択しておき、きつくなってきたときに突起部の誘導性が効果を発揮してくるということではないかと推測された。
そうしたことも踏まえつつ、使用する義肢装具士が双方の特性やサイズ選択方法などを理解して、きちんと使い分けることができれば、同じソケットを長い間使用することができるかもしれない。
つまり、作り始めでゆとりがあるソケットのときはX5を使い、ソケットがきつくなってきたらシールインVをつかうという具合であろう。
現在はサイズ展開が2センチごとにしかないため、もう少し細かいサイズ設定があるとよい。また、18センチ未満のサイズも、肌へのあたりがソフトで有ることから、アルファスピリットライナーの代替選択肢になりうると思われるため、0.5cmごと14cmからのサイズ対応を希望する。
あくまでも推論ではあるが、使用した娘を継続して観察した感想である。
以上。




