今から六百数十年前、明国から世界の果てに大航海を成し遂げた人物がいた、その名を「鄭和」。
しかも七度の航海の途次に病没するまで、各国の文化や文物を持ち帰り、皇帝に奉げたそうな。
大型帆船を建造し、大船団を率いても武力を用いず、宗教や思想に介入せず、友好的に回航した。
明国の偉大さを行く先々に示したのである。バスコダガマの東征はこれよりずっと後のことで、武力をもって他国を植民地化し、虐待の限りを尽くした。
つまりヨーロッパは野蛮な国だったのだ。
ポルトガルがバスコダガマによってヨーロッパ文明のさきがけとなるのは、明国の衰退と大航海の廃止という歴史の転換期に導かれたもので、アフリカからインド、東南アジアの国々が長い間にわたって植民地化する、歴史の非常さを「鄭和」の平和外交を知る今、感じます。
5月3日NHK総合テレビ放送。
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