鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

市内産品を給食に活用

2013年12月21日 12時05分26秒 | Weblog
鈴鹿市内産野菜を学校給食に最大限活用することを考えるとき、いくつもの課題が考えられるのと同時に、いろいろな可能性も考えることができます。
先日の農林水産業を考える議員の会では課題のひとつとして、現状、過去からの経緯があることなどから、野菜納入について市場や八百屋との関係が難しいということがでました。この課題については一気に解決するものではなく、少し時間をかけながら取り組んでいくことだと思います。

それ以外の課題は?ということで、野菜の生産量と給食での使用量との関係を表にした資料が配付されました。その表に、ある程度予想していたことですが、流通以上に大きな課題が見えました。あくまで個人の主観ですが。特に象徴的に表れている食材、かぼちゃ・大根・ほうれん草を資料から抜き出したのが次の表です。


グラフにして並べたものです。


ここから見えてくるのは大きく、(1)野菜の“ 旬 ”にその食材の活用が少ないのではないか、(2)給食メニュー策定の際に地産地消の意識が浸透していないのではないか、ということです。生産量と使用量にミスマッチがあるということでしょう。3つの野菜のグラフを見ていただくと、その傾向がよく表れています。そして、全段の流通の課題も関わると思いますが、食材として使っていても鈴鹿産の割合が低いことも見えます。
会議の中では、給食調理の現場では機械などを使うため規格に揃った野菜が求められるため、市内産野菜の活用が少ないのではないかということも話題にあがりましたが、生産量が多い期間であれば当然ですが規格に揃ったものもでやすくなるはずで、この点からいえるのは、農政の部門と給食の部門との情報連携の課題と思います。

(1)と(2)の課題について、生産と使用のミスマッチの解消を意識して改善に取り組めば、他の野菜についても相当部分が解消されてくるのではないかと思います。それはメニュー構成の見直しをはかることと、現在6ヶ月前に作成しているメニューを2ヶ月前などに変更することや、生産者と作付け状況などの情報を教育部門が共有することなどで取り組めるのではないでしょうか。

また別の視点として、自分としてはこのような考えがあります。
おそらくカボチャなどは、加工の手間の関係で活用が少ないのではないかとも考えられます。皮も固くて厚いため切るのに手間がかかりますし、時間的に考えれば煮るか揚げるくらいが料理で考えられることではないでしょうか。それではメニューが限られてくるでしょうから、その点の発想に一工夫加えれば、通年で活用することも考えられるのではないかと思います。
そこで関連させるキーワードが、“ 6次産業化 ”と“ 福祉雇用 ”です。
たとえばカボチャであれば、メニューから考えるとコロッケやクリームスープという形やプリンなども考えられるでしょう。つまり、切って加熱することにもうひと手間加える部分を、福祉事業のビジネスとして起業支援して育成すれば、地域内の障害者雇用も創出でき、かつ地域内の野菜の有効活用もはかれるはずです。このような取り組みには公的な支援があってよいと考えます。

ともかく、どの時期に鈴鹿でどんな食材があるかという情報を持ち、それを使いどんなメニューが考えられるか制限をかけず考え、他の人たちとどのような連携がとれるかを考えれば、調理だけでなくいろいろな方面で、鈴鹿にとってプラスになる取り組みが出てくると思います。現在の栄養士の方にこだわらず、データを出しミスマッチの部分を埋めるメニューを公募という手もあるでしょう。公ばかりで取り組むことはないとも思います。

野菜の生産と活用について、やはり中学校給食のあり方も大きなポイントです。今までなかった取り組みであり、流通も食材の調達についても、今までの枠組みではなく、違った視点の枠組みを考えていいはずです。たとえば、鈴鹿市として鈴鹿産食材の調達目標を品目も数量も7割以上とするとすれば、先に書いた“ 食材の旬 ”を意識しなければできないでしょうし、生産者との連携もより密にする必要がでると考えます。
ただ現時点での民間委託の考えは“ 調理と配送 ”の部分だけで、“ メニュー作成と食材調達 ”は市が行うということになっていて、 民間であれば目標を7割以上とすれば、それを達成するためにいろいろな手法を模索するでしょうが、 たとえば農産物を生産委託してそれを活用したメニューを作るというような取り組みを民間ではできない仕組みとなっています。中途半端と思いますし、市議会全員協議会でもこの点を意見したことがあります。
これについては、中学校給食の取り組みを推進しようとしている市長の発想が問われると思います。やることだけ決めて詳細は担当者任せというのではなく、地産地消や民間委託のあり方などについて、市長としての考えを明確にするリーダーシップが必要です。

私の考えとしては地産地消について、鈴鹿市は工業都市の側面もありますが、都市の形態を考えれば農業も重要な産業と考えます。また、移送コストや環境負荷の面からフードマイレージの考えや、農地が持つ保水力や景観などの環境的な側面も鈴鹿市にとって無視はできません。そして、今後の不透明な世の中を考えると、自治体としても相応の食物自給を考えに組み入れていくべきではないかと考えます。地産地消という言葉からイメージされるものを広げて考えることが必要だと考えています。
コメント
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