◇ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー(2009年 フランス、イタリア 86分)
原題 36 vues du Pic Saint Loup
英題 Around a Small Mountain
監督 ジャック・リヴェット
◇元邦題『小さな山のまわりで』での方が好き
大人の恋物語というのは静けさに包まれてて好い。
ていうか、ジェーン・バーキンがリヴェットの映画に出るのは18年ぶりなんだそうで、だから15年ぶりにサーカスに帰ってきたふしぎな中年女性の物語になったのか~とおもったのは、もしかしたらぼくだけじゃないっておもうんだけど、どうなんだろう?
ひと目惚れというのは、たぶん、誰にでもあるものなんだろうけど、その瞬間というのは非日常的なものであればあるほど好い。それが旅の途中の山間で、自分の運転する車が偶然に、エンジンの壊れてしまった彼女の車の横を通りかかったとしたらどうだろう?しかも、その彼女の父親はサーカスの団長だったのだが15年前に芸の事故で恋人を失ったことで退団してたんだけど、その父親がこのたび亡くなったものだから、彼女はその報せを抱えてサーカス団をめざし、そこでしばらく過ごすことにしてた、なんていう背景があればなおさらだ。
ぼくだったら彼女に入れ込み、そのサーカスの場所に逗留し、連日のように通い、やっぱりセルジオ・カステリットよろしく寸劇とかやっちゃったりして団に溶け込み、そこで中年の恋を咲かせようとするかもしれない。そんな気をほんわかと起こさせてくれるんだよね、こういう映画は。