Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

パシフィック・ウォー

2022年07月17日 01時42分00秒 | 洋画2016年

 ◇パシフィック・ウォー(USS Indianapolis : Men of Courage)

 

 え?竹野内豊、橋本以行をやってたの?っていうくらい、覚えてない。

 憶えてるのは、なんてちゃっちいCGなんだってことくらいかな。

コメント

ナチスの愛したフェルメール

2022年07月07日 22時53分29秒 | 洋画2016年

 ◎ナチスの愛したフェルメール(Een echte Vermeer)

 

 なるほど、ハン・ファン・メーヘレンがいかにしてフェルメールの絵に酷似した作品を描いたのかって話ね。

 300年前の顔料だとおもいこませるための絵の具というか樹脂を調合してゆくときに、Symphony No. 7 : Allegretto on Spotify. Ludwig van Beethoven が掛かるんだけど、これ、使いやすい曲なんだろうなあ。この四半世紀、なんべんもBGMにされてる。

 ま、それはともかく、邦題はちょっとちがうな。

 ユルン・スピッツエンベルハーは熱演してるけど、残念なことに顔が徐々に薄らいでいく。見慣れてないせいもあるんだろうけど、そこへいくと、ちょっと崩れた印象はあるけど、リゼ・フェリンは強烈だね。ナチの制服を裸体に羽織ってモデルになっているとき『愛の嵐』をおもいだしたけど。

 よくわかるのは、結局のところ、自分の描いたものを褒められたらそれを破り捨てることなんてできないってことだよね。とはいえ、フェルメールとおもわせて金を稼ごうとした時点で、どう言い逃れようとも贋作なわけで、当時の裁判でフェルメールの絵には価値があるがメーヘレンの絵には価値はないのだと断定されるのは妥当だったんじゃないかって気もする。たとえ、それが現代では別な価値基準で独立した作品になっているとしても、動機を変えることはできないものね。

コメント

THE PROMISE 君への誓い

2022年06月02日 00時58分09秒 | 洋画2016年

 ◎THE PROMISE 君への誓い(The Promise)

 

 とってもわかりやすい。第1世界大戦のとき、オスマン帝国は150万人のアルメニア人を虐殺したってことを訴えてるわけだけれども、いや、デビッド・パットナムらしい内容で、どうしてもトルコという国は欧米から嫌われるんだなあっていう感想を持ってしまうね。

 ただ、オスカー・アイザックも、クリスチャン・ベールも、シャルロット・ルボンも、必死に演技してるのがよくわかるし、テリー・ジョージもかなり使命感をもって演出してるなってこともひしひしとわかる。そういうことからいうと、たしかに大作だったんだけど、なんか、いまひとつ迫力に欠ける気がするのは穏やかな海や清らかな森やセットまるだしの室内だからだろうか?

コメント

ドクター・ストレンジ

2022年05月25日 22時05分19秒 | 洋画2016年

 ◇ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)

 

 ベネディクト・カンバーバッチ、レイチェル・マクアダムス、ティルダ・スウィントンと、ぼくの心の中を見抜いてんじゃないかっていうくらいご贔屓の役者が揃ってる。こうなると、なかなかマーベル物には腰が引けちゃうぼくとしても見ないと仕方なくなる。

 で、観た。

 時間が逆行していく中でのアクションと時が止まった中でのアクションはたいしたもんだな。時間を超越するのを絵で見せてくるのも、いやまじ感心したわ。おもしろかったよ。

コメント

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁

2022年05月21日 22時44分44秒 | 洋画2016年

 ◎SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁(Sherlock : The Abominable Bride)

 

 このシリーズのどこが気に入っていたかといえば、やっぱり現代にビクトリア朝の設定そのままのシャーロック・ホームズが登場したことで、それが妙な時代錯誤のおもしろさを生んでいたんだけれども、それがコナン・ドイルの描いた時代そのままになっちゃうと、これまでのホームズ物となんら変わらないような印象を受けたのは否めない。もちろん、撮り方は斬新だし、テレビシリーズの人物設定(ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットたちのことね)はそのまま活かされてるからいいんだけど、ふりかえってみるとなんだか仮装大会だったような気がしないでもない。

 自殺したはずの花嫁が蘇って人を殺すというトリックは実におもしろく、どうしてドイルが語られざる事件のままにしていたのかはわからないんだけれども、なるほど、花嫁によく似た女性を探してきて彼女を自殺させて、自分は殺人を成就させてから自殺するというのはたしかに斬新ではあるものの、ここで素朴な疑問が浮かぶ。わざわざそこまでするだけの理由はなかったんじゃないかしら?

 あ、そうそう、特攻ってスーイサイド・ミッションていうのね。なるほど。

コメント

隠された時間

2022年05月09日 00時17分03秒 | 洋画2016年

 ◎隠された時間(Vanishing Time: A Boy Who Returned)

 

 謎の卵のちからによるものか、とにかく止まった時間の外に置かれることになっちゃうイ・ヒョジェの成長した男カン・ドンウォンが背泳の入江陵介にしか見えないとかいったら怒られるんだろうか?

 ま、そんなことはともかく、よくできてる。っていうより、ぼくはこういう物語は好きだな。

 シン・ウンスは純粋で知的な少女の役がよく似合ってて、世界の誰も信じてくれない時間からの離脱の現象をまのあたりにしてカン・ドンウォンとの初恋を実らせてゆくんだけど、うん、刑事役のクォン・ヘヒョと義理の父親役のキム・ヒウォンもよく演ってた。

 洞窟がなんで存在して、そこでなぜ卵が都合3つも存在していて、いったいなんの卵だったのか、中から出てきた風圧の正体はなんだったのか、そのあたりはまるで語られないけど、それはそれでいいんじゃないかっておもえちゃうのがこの映画の魅力なんだろう。ただ、偏向レンズなのか、緑のフィルターを使ったロケーションがちょっと違和感をおぼえちゃうけど、そのほかの絵づくりは上手だった。

 とくに止まった時間の中では空中に物を置いてもそのまま浮かんで静止しちゃうとか、水の撥ねもわずかに撥ねるけどそこで止まっちゃうっていう感覚が好い。島を舞台にしているっていう閉塞感も、カン・ドンウォンとシン・ウンスの逃げ場がなくなる伏線になってて上手だ。

コメント

人生はシネマティック!

2022年04月24日 18時46分29秒 | 洋画2016年

 ☆人生はシネマティック!(Their Finest)

 

 こんな映画が作りたい。

 ダンケルクのプロパガンダ映画を作ろうとしたイギリス人たちの物語なんだけど、そこでスクリプターに採用された素人の若妻ジェマ・アータートンの物語にしたところが、この作品を活性化させてる。ダンケルクから逃げてくる兵士を救った双子の老姉妹を取材するとか、脚本を老役者ビル・ナイや情報映画省の役人リチャード・E・グラントや米パイロットの素人役者ジェイク・レイシーから文句をつけられて改稿していくのと並行して、夫の画家ジャック・ヒューストンと別れて脚本家集団をひきいるサム・クラフリンと恋をしていくのも重要な要素になってて、その仲間を突然失ってしまうことから、ラスト、市民に映画を感謝されることで彼女の感激を引き出してくるのは、実に上手。

コメント

ウイスキーと2人の花嫁

2022年04月18日 23時40分48秒 | 洋画2016年

 ☆ウイスキーと2人の花嫁(Whisky Galore!)

 

 1949年のリメイクだっていうんだから、驚きだ。

 よくも戦後たった4年で、こんなにおもしろいものを作れたものだっておもう。

 とはいえ、のんびりした映画で、だんだんちょっとずつおもしろくなるんだけど、さらなる驚きは史実に基づいているってことだ。スコットランドのエリスケイ島にSSポリテイシャンン号っていう貨物船が漂着して、どえらいたくさんのウヰスキーが積み込まれてて、さらにはそれとともに皇太子の秘密の写真まで積み込まれていたっていう国家機密まで絡ませてくるのピーダー・マクドウガルの脚本は上手だね。ギリーズ・マッキノンの抑えているのかいないのかよくわからない演出もほほえましいし。

 グレゴール・フィッシャーのとぼけた爺さんぶりもいいし、ナオミ・バトリックとエリー・ケンドリックの姉妹もまたほのぼのした美しさでいいね。まあ、幼い頃にオリジナル作品に感動して、以来どうしてもリメイクしたいと願い続けてきたっていうイアン・マクリーンのプロデューサー根性を買おう。

コメント

シンクロナイズドモンスター

2022年03月16日 19時02分46秒 | 洋画2016年

 ◇シンクロナイズドモンスター(Colossal)

 

 たしかにシンクロしてるけど、なんで韓国なんだ?

 東宝と手打ちをしておもいっきりあほな世界を展開した方が良かったんじゃないかって気がするけどな。まさか、ナチョ・ビガロンドが特撮事情をまるでわからないまま脚本を書いて監督したんじゃないよな?

 で、アン・ハサウェイが出てる分、なんだか余計な宣伝がされちゃってる気もして嫌な気分にはなった。

コメント

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

2022年03月08日 23時16分10秒 | 洋画2016年

 ◇マダム・フローレンス! 夢見るふたり(Florence Foster Jenkins)

 

 ヒュー・グラント、老けたのかメイクなのかわからん。メリル・ストリーブは太ったな。ちょー音痴の奥さんのために愛情を尽くしてカーネギー・ホールで歌わせてやろうとするチョー金持ち夫のおもいきり世間とはかけはなれた物語なんだけど、まあ、どうでもいいか。上手に作ってあったし。

コメント

イーグル・ジャンプ

2022年02月15日 23時47分01秒 | 洋画2016年

 ☆イーグル・ジャンプ(Eddie the Eagle)

 

 ときどき、イギリスはこういう小品でおもしろいものを作る。誰でもできそうで誰にもできないであろう小さな奇蹟をおもしろおかしく練り上げて完成させるんだけど、このエディ・エドワーズの伝記映画もそのひとつだ。以前にあったジャマイカのボブスレーチームの映画『クール・ランニング』をおもいださせるし、舞台もカルガリー・オリンピックだからおんなじだね。

 日本でこういう映画を撮るとかならずいわれるのは「事実とはちがうじゃん」ってやつで、そういういちゃもんを聞くと悲しくなる。だって映画なんだから。事実を知りたければ自分で調べれば済むことだしね。ま、そんなことはどうでもよくて、台詞のいくつかがとっても微笑ましかった。あいつ、ばかか、死ぬぞ。という主人公にはわからないドイツ語でがんがん悪口をいわれるところとかがそうだ。

 でも、CGなんだろうけど、上手に撮ってる。ばかばかしく転げ落ちてゆくところは特にそうだ。でも、こういうコメディは佳境になるとどんどん気持ちがのめりこんで、最後には感動しちゃってたりするから、ついつい観ちゃうんだよなあ。

コメント

ダーティー・コップ

2022年02月06日 00時21分15秒 | 洋画2016年

 ◇ダーティー・コップ(The Trust)

 

 強盗するという狂気に侵されてゆく警官ふたりの話ってだけで、共感するところはほぼない。

 イライジャ・ウッド、若いな~。ニコラス・ケイジはまんまだけど、なんでこの映画に出たんだろうってくらい、その狂喜を演じた理由がつかみづらい。役名すら与えられないスカイ・フェレイラもかわいそうだけど、ちなみに彼女は『ツイン・ピークス』のリミテッド・イベント・シリーズに出てるそうで、そっちの方が興味が湧くわ。

 

コメント

クリミナル 2人の記憶を持つ男

2022年01月21日 23時48分35秒 | 洋画2016年

 △クリミナル 2人の記憶を持つ男

 

 おもしろくない理由は、正義の主人公がいないからだ。

 ケビン・コスナーがいつまでも悪人を背負ってるからで、博士トミー・リー・ジョーンズの憐れみと自戒はあるものの、CIAのゲイリー・オールドマン」は冷酷だし、妻アリス・イヴの存在もまた希薄だ。悪人もまた動きは鈍く、大きなターゲットとゆうかクライマックスが見えてこない。

 行ったり来たりのじたばた怒鳴りあいをしてるだけっていう印象が強いな。

コメント

否定と肯定

2022年01月19日 00時18分01秒 | 洋画2016年

 ◇否定と肯定(Denial)

 

 ちょっと抽象的すぎる題名で、いっそのこと「アーヴィングVSペンギンブックス~リップシュタット事件~」とした方がわかりやすかったんじゃないかな?

 それでも忘れてる。二度目のはずが、まるきり、忘れてる。だって、前半が長すぎるんだもん。

 裁判が始まるのはタイトル後すぐでもいいくらいだ。

 ホロコースト裁判っていう題名でもいいくらいで、たしかに虐殺があったかなかったかっていうのが主題とはいえ、地味というより取っつきにくいな。それに、否定派のティモシー・スポールの主張はもうすこし強くないとおもしろみがない。こういう話は予定調和になったらおしまいなんだから、ぎりぎりまでレイチェル・ワイズとトム・ウィルキンソンが裁判に負けそうにしてないとね。

 しかし、アンドリュー・スコットとマーク・ゲイティスが出てくると、どうしても『シャーロック』をおもいだしちゃうな。

コメント

ガール・オン・ザ・トレイン

2021年12月29日 22時10分08秒 | 洋画2016年

 ◇ガール・オン・ザ・トレイン

 

 出だしで、ちょっと戸惑った。これってもしかしたらおもしろくないんじゃないかと。

 ま、そんな不安は途中で解消されたような気がしたんだけど、脚本が最後になってつまずいた。

 犯人の正体がわかってくるのがちょっと早いんだよね。

 まあ、エミリー・ブラントがいやまあこれでもかってくらい好演してて、アルコール依存症になっててそのせいで殺人を犯してしまったかもしれないっていう、もはやぼろぼろになった不安におののきはじめるあたりはけっこう気が入ってきたんだけど「あれれ、彼女の記憶が無くなってるときに暴力沙汰におよんでるって証言してるのってひとりしかいないじゃん」っておもったとき、謎が解けちゃう。

 レベッカ・ファーガソンとヘイリー・ベネッが絡んでるところで、謎が入り組んでる感じもしたけど「うん?ちょっと待って」って整理しはじめて、エミリー・ブランドが子供を産めないアル中女で元の妻、レベッカ・ファーガソンがエミリーの夫と浮気をして離婚に追い込んで子供を産んだ今の妻で、ヘイリー・ベネットがその二軒となりの子供の生まれない家のちょっと淫乱性の若妻で17歳のときに子供を産んだものの風呂で溺れさせちゃって亡くしてしまっていう過去を持ちながらもレベッカの赤ん坊の子守をしつつもしかしたらレベッカの夫と浮気をしているかもしれないっていう構造が見えてくると、結局のところ『悪魔の手毬唄』の恩田みたいなもんじゃないのかっておもっちゃう。

 こうなると、もうなにもかも見えてきちゃうんだよね。

 まあ、どうしようもない女好きのせいで、人生を翻弄されてしまう女たちの物語と捉えればいいんだけどね。たしかに、向こう三軒両隣のものすごく狭い世界の話で、せっかくエミリー・ブラントの世話をしているローラ・プレポンや、理解のありそうな女刑事のアリソン・ジャネイとかを配置してるんならもうすこし彼女たちを絡ませる脚本作りをすればよかったのにな~とはおもうよ。

コメント